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地域医療におけるデータ連携と生成AI利用のための基盤サービス、NECが2025年2月に開始

DIGITAL X 編集部
2024年12月25日

地域医療のためのデータ連携や、そこでの生成AI(人工知能)技術の利用を可能にするための基盤サービスをNECが2025年2月に開始する。医療機関や関係機関におけるデータ活用や、新サービスの提供を支援する。サービス実現に向けた事業者間の共創を支援するパートナー制度も用意する。2024年12月19日に発表した。

 NECが2025年2月から提供する「ヘルスケア生成AI活用プラットフォーム」は、地域医療に携わる医療機関や関係機関が、必要なデータを共有したり生成AI(人工知能)技術を利用したりするための基盤サービス。具体的には、(1)生成AIのクラウドサービス、(2)生成AIサービスへのセキュアな接続サービス、(3)医療データの匿名化機能を提供する。

 生成AIサービスとしては、NECが開発した「cotomi」と米Microsoftの「Azure OpenAI Service」を用意する。セキュアな通信サービスでは、医療情報保護に関するガイドラインである厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」と経済産業省・総務省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」に準拠するとともに、ヘルスケア関連のデータ連携のための国際規格「HL7 FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources)」に対応する。

 生成AI技術のヘルスケア分野への適用に向けてNECは、2024年8月から9月に医療機関やパートナー企業とでワークショップを開催し、病院経営や患者ワークフロー、自治体連携などに活用できることを確認したという。

 ヘルスケア生成AI活用プラットフォームの提供と合わせて、同基盤上でのサービス開発・提供に取り組むパートナー企業との共創プログラム「BluStellar(ブルーステラ) 共創パートナープログラム/生成AI for Healthcare」も開始する(図1)。パートナー企業に対し、技術的な支援やビジネス開発上の支援、および開発したサービスの販売・マーケティングの支援を提供する

図1:「BluStellar共創パートナープログラム」によりパートナー企業と共創し生成Ai技術を使ったヘルスケア関連サービスの開発・提供を目指す

 NECによれば、日本では近年、人件費や物価の高騰などによる病院経営の悪化や、高齢化に伴う医療・介護サービスの需要増による医療従事者不足など、地域医療経営の最適化と地域医療体制の維持が大きな社会課題になっている。これら課題に対応するには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務の効率化に加え、病院経営の改善などが期待されている。

 ヘルスケア生成AI活用プラットフォームの利用料金は月額3万5000円(税別)を予定する。NECは、パートナー企業との共創によるヘルスケア関連事業で2030年度までに100億円の売り上げを目指す。