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現場でのフォークリフトの作業分析システム、Industry Alphaが提供

DIGITAL X 編集部
2025年1月10日

倉庫や工場におけるフォークリフト作業を分析するためのシステムの本格提供を、自律走行ロボットなどを開発するIndustry Alphaが開始した。フォークリフトの作業状況を可視化し、現場の生産性向上を図る。2025年1月7日に発表した。

 「AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行ロボット)などを開発するIndustry Alphaの「フォークリフト作業分析システム」は、作業中のフォークリフトの位置情報などを取得し、フォークリフトの走行経路や、荷物の積み込み・積み下ろしに費やしている時間などを可視化するための仕組み。フォークリフト作業の運用改善や、AMRの導入支援や併用などに利用する。

 フォークリフト作業分析ボックスは既に、アサヒ飲料が倉庫における効率化・自動化に向けて、現状把握や改善、AMRの導入検討に利用しているという。

 作業中の位置情報などは、独自開発した「フォークリフト作業分析ボックス」で取得する(写真1)。既存のフォークリフトに装着する装置で、作業環境側に測定機器などを設置する必要はない。赤外線センサーなどによりフォークリフトの位置情報を把握・分析することで、フォークリフトの作業内容や走行速度帯の内訳、運転者による作業効率の差といったデータを取得する。

写真1:赤外線センサーなどによりフォークリフトの位置情報などを取得する「フォークリフト作業分析ボックス」

 取得・可視化したデータは、現状のフォークリフト作業の課題解消に利用できるほか、AMR導入のための指標とし照りようできる。AMR導入による人件費の削減効果や、AMRを何台導入すれば作業効率を高められるかなどを算出できるとする。

 加えて、AMRとフォークリフトの協調制御にも役立てられるという。フォークリフトの位置をリアルタイムに把握することで、AMRの作業エリア内にフォークリフトが滞在しているかどうかを確認し、AMRを停止させたり、フォークリフトの作業場所にAMRを移動させたりが可能になるとしている。

 将来的には、フォークリフトからの収集データを使い、工場内の機器やシステムとの連携を実現したい考えだ。

 Industry Alphaによれば、製造・物流業界では労働力不足に伴いフォークリフトの運転者不足が深刻化している。解決策にはフォークリスト作業の運用改善のほか、「AGF(Automatic Guided:無人搬送車)やAMRによる半自動化・自動化がある。だがいずれも、稼働実態が把握できていないと、改善点が見いだせず、AGF/ARMの必要台数を算出できなかったりしているのが実状だ。