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顧客対応に当たるオペレーター用のAIエージェント、Gen-AXが提供開始

ANDG CO., LTD.
2025年1月29日

顧客からの問い合わせ対応に当たるオペレーターを対象にしたAI(人工知能)エージェントの提供をソフトバンク子会社でSaaS(Software as a Service)事業を手掛けるGen-AXが2025年1月23日に開始した。問い合わせに対する回答案を生成AI技術を使って提示する。同日に発表した。

 ソフトバンクの子会社で生成AI(人工知能)技術を使ったSaaS(Software as a Service)事業を手掛けるGen-AXの「X-Boost」は、コンタクトセンターなどで顧客対応に当たるオペレーターを対象にしたAIエージェント(図1)。問い合わせ内容に合わせた回答案を提示し、顧客対応速度や、回答品質を高めることで、CX(Customer eXperience:顧客体験)の向上につなげられるとする。同社が提供するAIエージェントの第1弾の位置付けだ。

図1:「X-Boost」の画面例。図はスマートフォンの契約対応のための回答生成の例

  X-Boostでは、オペレーターが問い合わせ内容を入力すると、最適な回答案を生成し画面に表示する。生成精度を高めるために、利用ログを用いて回答精度を継続的に評価するほか、モデルのバージョンを管理して最適な状態を反映させる。モデルの学習や検索精度が不十分な場合は、オペレーターが画面上で適切な学習データを選択し追加学習を実行すれば良く、現場担当者が業務に合わせて運用できるとしている。

 AIモデルは導入企業の特性に合わせてカスタマイズする(図2)。学習データは導入企業のみに使用し、汎用AIモデルの学習には使用しない。機械学習では、問い合わせ履歴やFAQ(よくある質問と答)などの社内データを数値ベクトル(多次元の数値列)で表現したエンベディングモデルを利用する。社外データなどもRAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)技術を使って連携できるという。

図2:「X-Boost」のシステム概要

 X-Boostの販売はソフトバンクが担当し、導入・運用ではソフトバンクとGen-AXが連携する。今後は、コンタクトセンター業務の自動化に向けたAIサービスを2025年度中に提供したい考え。そのためのLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の実証実験をソフトバンクグループで生成AI技術を研究開発するSB Intuitionsとで実施する予定である。

 Gen-AXは、SaaS事業と専門コンサルティングサービスの提供を主な事業目的に2023年7月に設立され、2024年7月から本格的に事業を開始している。