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内製化傾向が高いのは業務プロセスやDX戦略、データ分析に関するタスク、IDC Japanの調査

DIGITAL X 編集部
2025年2月12日

「特に業務プロセスやIT/DX戦略に関わるタスク、データ分析タスクの内製化を進める傾向が強い」−−。こんな調査結果をIDC Japanが2025年1月22日に発表している。IT/DX部門の業務においては全般的に内製化傾向が強いことも分かった。

 IDC Japanは、国内の従業員数300人以上の事業会社でIT戦略策定や予算の決裁、情報システム部門の管理に関わる300人を対象したアンケート調査を2024年5月に実施した。同調査の結果からは、国内企業のIT/DX(デジタルトランスフォーメーション)部門の業務においては全般的に、外製より内製の傾向が強いことが確認できた(図1)。

図1:IT/DX部門が担当業務する内製/外製の現状

 内製傾向がより強い上位項目は、ほぼ事業や業務に密接に関連する領域で、企業運営やDXの中核的な業務が中心だった(図1の赤色枠)。一方、外製傾向がより強い項目は、システムの保守・運用やヘルプデスクなど比較的、規程化/標準化が容易な下流工程に集中していた(図1の青色枠)。

 IDC Japanは同調査とは別のアンケート調査で、今後の内製/外製強化の計画を確認している。それによれば「現状維持する予定」と回答する企業が約半数だった。

 だが、上に挙げた内製傾向が強い項目に加えて、社内アプリケーション開発/導入の下流工程や、データ/データベース/DWH(Data Warehouse)の管理、情報セキュリティの対応に対し、内製化を試みようとしている企業が多いことが把握できた。企業が市場や顧客のニーズの変化を迅速に捉え、それに呼応できるデジタル基盤を運用しようとしている姿勢の表れだと考えられるという。

 調査結果についてIDC Japan Tech Buyer リサーチマネージャーの鈴木 剛 氏は、「国内企業は、現在の内製/外製の状況や将来に向けた計画に関わらず、企業組織全体の役割や、その社員の役職・職務を明確に定義(規程化/標準化)し、新興テクノロジーなどを採用しながら、その改善・向上に務め、継続的に企業に対して、あるべき内製/外製の姿を追求すべきである」と述べている。