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製造業のサプライチェーンマネジメントのためのデータ基盤、SCSKが販売

DIGITAL X 編集部
2025年4月1日

製造業のサプライチェーンにおける各種業務データを集約しデータに基づく意思決定や業務効率の向上を図るためのデータ基盤と関連サービスの提供をSCSKが2025年4月1日に開始した。各種システムに分散するデータを集約すると共に、課題解決に向けたシナリオやデータモデルを用意する。2025年3月21日に発表した。

 SCSKの「SuccessChain for DataPlatform」は、製造業におけるサプライチェーンマネジメントのためのデータ基盤(図1)。設計から生産計画、製造、物流、販売、保守までを対象に、各システムが保有するデータを集約・統合し、データの基づく業務課題の解決策を打ち出せるようになるという。提供に当たり、産業向けAI(人工知能)システムの開発などを手掛けるJDSCと提携した。

図1:SCSKの「SuccessChain for DataPlatform」は製造業のサプライチェーンを対象にデータを集約・統合する

 SuccessChain for DataPlatformでは、データ基盤に加え、製造業における業務課題に基づくシナリオやデータモデル、レポート様式などをテンプレート(ひな形)として用意する。SCSKは基盤の提供を「クイック基盤サービス」、テンプレート類を「クイックコンテンツサービス」と呼び、両者により最短1カ月で基盤を導入できるという。データ統合には米インフォマティカ製のツール類を利用する。

 テンプレートを利用では、データの集約・可視化の効率を高めたり、現場が直面する課題の分析や業務改善に向けた取り組みつなげたりが可能になるとする。2025年4月時点では、在庫適正化、最適サプライチェーン構築、製品の付加価値向上、品質向上の4つのシナリオに隊緒する。

 加えて、コンサルティングと伴走型運用・運営のサービスも用意する。コンサルティングには、共通コンサルと業務課題別コンサルがある。共通コンサルではIPA(情報処理推進機)が定める「製造分野DX度チェック」に基づき、現場単位にDX(デジタルトランスフォーメーション)レベルを調査しデータ活用レベルを診断。診断結果から優先して取り組むべき課題を特定する。

 業務課題別コンサルでは、経済産業省が提唱する『スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン』が掲げる製造事業者が直面する経営・業務変革課題を元に、在庫適正化などの業務課題を明確にし、経営判断のための業務データを特定する。

 伴走型運用・運営サービスでは、システムの利用状況をモニタリングし、定期的な業務改善活動により、安定的かつ継続的なデータ活用を支援する。SCSKは2030年3月までに50社の導入を目指す。

 SCSKによれば、国内製造業は、人材不足や原材料費の高騰、不安定な国際情勢、為替変動リスク、競合企業の台頭など厳しい環境変化に直面しており、市場での地位確保に向けたサプライチェーンマネジメントの高度化とデータ駆動型経営にシフトしたいとするニーズが増加している。