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個別受注生産や大量生産などに対応できるMES、東芝デジタルソリューションズが販売

DIGITAL X 編集部
2025年5月23日

個別受注生産や大量生産など種々の生産形態に対応できるMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)を東芝デジタルソリューションズが発売した。製造現場の状況をリアルタイムで可視化し、生産量の維持や増産対応など生産性を高められるという。2025年5月20日に発表した。

 東芝デジタルソリューションズが発売した「Meister MES NEO」は、生産指示や生産データを収集・管理するためのMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)である(図1)。ERP(Enterprise Resource Planning:企業資産計画)システムやスケジューラーが作成した計画を元に、実際の生産を指示・管理する。大量生産だけでなく、個別受注生産など種々の生産形態に対応できるという。

図1:東芝デジタルソリューションズが発売したMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)「Meister MES NEO」の概要

 Meister MES NEOが提供する機能は(1)製造計画確認、(2)製造オーダ生成/編集、(3)部品払出/製造指図、(4)製造/検査実績入力、(5)工程進捗(予実)管理、(6)設備稼動管理など。これらにより、人が属人的に運用してきた製造指示の標準化・効率化が図れるという。

 具体的には、現場が確認してきた着工判断や工程の進捗管理、掲示板を使った着工指示、手書き帳票による製造実績収集といった部門ごとに管理してきた工程を一元管理する。計画に修正が生じた際も、システム間連携により自動で反映できるとしている。

 Meister MES NEOは、カスタマイズ環境として、ローコード開発ツール「TALON」(HOIPOI製)を用意する。利用者用の画面イメージをブラウザー上の設定変更だけで修正できるという。

 東芝デジタルソリューションズはこれまで、半導体製造業向けMESを2003年に発売。2015年には東芝グループを含む半導体工場や電気機器工場が採用する「Meister MES」を発売するなど、種々の製品や生産形態に関する知識やノウハウを蓄積してきた。それらを元にMeister MES NEOを開発したとしている。

 並行して、ものづくりに関わるデータを統合管理する「ものづくりデータ統合基盤」を提供しており、Meister MES NEOが収集したデータも集約すれば、スマートファクトリーを実現するためのデータマネジメントが可能になるという。

 東芝デジタルソリューションズによれば、製造業が市場競争力を高めるたるためには、人手に頼る業務プロセスから脱却し、デジタル化による生産性向上やコスト削減、品質管理の強化が不可欠になっている。