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コンタクトセンター向けAIエージェントを使う自動応答サービス、NECが開始
コンタクトセンター向けのAI(人工知能)エージェントを使った自動応答サービスを、NECが2025年5月に開始した。 AIエージェントが顧客からの問い合わせに24時間対応する。顧客の待ち時間を削減できCX(Customer Experience:顧客体験)を高められるという。2025年5月14日に発表した。
NECが2025年5月に開始した「NEC Communication Agent」は、コンタクトセンターにおける顧客からの問い合わせに自動で応答するサービス(図1)。NECが独自開発する日本語音声認識エンジンと生成AI技術を組み合わせたAIエージェントが24時間対応することで、顧客の待ち時間を減らしCX(Customer Experience:顧客体験)を高めると同時に、コンタクトセンターの人材不足や離職率の高さに備えられるという。
NEC Communication Agentは、日本語の音声認識エンジンによって電話の内容をテキスト化し、生成AI技術により誤回答を抑制しつつ自動で応答する。独自の対話制御機能により「自然で滑らかな会話」を実現しているという。
自動応答後にオペレーターによる対応が必要な場合は、音声認識サービス「NEC Speech Analysis Platform」と連携し、エスカレーションができる。Speech Analysis Platformは音声をリアルタイムにテキスト化でき、センター内での共有や、応答文の下書きや応対記録の作成を可能にする。
対応できるチャネルは、電話のほか、Webチャットや、コミュニケーションツールの「Teams」(米Microsoft製)や「Slack」(米Salesforce製)、「LINE」(LINE製)など。電話の基盤には、NEC製のPBX(Private Branch eXchange:電話交換機)である「SV9500」のほか、クラウド型コンタクトセンター基盤「Genesys Cloud」(米ジェネシス製)を利用できる。
生成のためのLLM (Large Language Models:大規模言語モデル)には、NEC独自の「cotomi」または「Azure OpenAI Service」(米Microsoft製)を利用する。回答の正確性を高めるために、導入企業が持つマニュアルやFAQ(よくある質問と答)、対話履歴などをナレッジベースとして利用する。
NEC Communication Agentの年間利用料金は、適用する対象が電話による音声ベースの場合が420万円(税別、以下同)から、Webチャットなどのテキストベースの場合は288万円(税別、以下同)年から。音声とテキストの両方に対応する場合は540万円から。ほかに初期費用や環境構築費用がかかり、利用条件に応じて変動する。