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AIエージェントの回答精度を高めるRAGのためのエージェント、エクサウィザーズが提供

DIGITAL X 編集部
2025年6月10日

AI(人工知能)エージェントの回答精度を高めるために利用するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術の実行に特化したエージェントをエクサウィザーズが2025年6月中旬から提供する。回答の生成に必要な社内情報などを取得し直したり、RAG機能自体の精度を検証したりすることで、AIエージェントの回答精度を継続的に高められるとする。2025年6月4日に発表した。

 エクサウィザーズが2025年6月中旬から提供する「RAGエージェント」は、AI(人工知能)エージェントに対するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術の実行に特化したAIエージェント(図1)。回答に必要な情報が不足していたり、既存データからは判断が難しかったりする際に、社内文書や外部ソースなどを横断的に検索して必要な情報を収集する。RAG技術を利用する際の開発・運用負担を軽減しながら、AIエージェントの回答品質の改善や精度検証を自動化できるという。

図1:「RAGエージェント」はAIエージェントの回答精度検証などを実行する

 RAGエージェントは、AIエージェントなどが回答の生成に利用した文字列だけでは情報が不十分と判断すると、元の文書全体を読み直して文脈を再確認してから回答を確定できるようにする。追加情報が必要と判断すれば、社内情報や外部ソースを横断的に検索し情報を収集する。

 その際、参照する文書のフォーマットを変換するなどの前処理も自動で実行する。文書の構造や内容に応じて、AIエージェントが回答に利用する文字列の設計も支援する。

 自らの検索精度と回答生成精度も評価することで、継続的な精度向上が可能になるという。RAGの適用範囲が拡大し対象文書が増えても、精度検証によって多くのRAGシステムを効率的に運用する。

 必要な回答を得るために複数のAIエージェントを連携させることもできる。AIモデルと外部システムのやり取りを標準化したオープンプロトコル「MCP」(米アンソロピック製)を実装したAIエージェントに対応する。

 RAGエージェントは、同社が提供するAIエージェントの開発・実行環境「exaBase Studio」が用意する標準テンプレート(ひな形)の1つとして提供する。exaBase Studioでは、RAG機能を利用するための「RAGOpsのテンプレート」を2024年6月から、AIエージェントのためのテンプレート群を2025年4月から提供している。RAGエージェントは、これらを組み合わせたアプリケーションになる。

 エクサウィザーズは今後も、RAGエージェントの各機能を随時拡充していくとしている。