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食品製造現場の衛生管理業務を自動化するサービス、TOPPANデジタルが開始
食品製造における衛生管理の国際基準である「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点)」が求める管理業務を自動化するサービスを、TOPPANグループのTOPPANデジタルが2025年6月12日に開始した。生産装置と連携し稼働状況をモニタリングし、必要な文書を自動で作成・管理するという。同日発表した。
TOPPANグループのTOPPANデジタルが提供する「食品安全管理DX」は、食品製造現場における衛生管理システムの国際標準「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点)」が求める管理業務を自動化するサービス(図1)。同社が提供する製造業向けサービス「NAVINECT」において、テンプレート(ひな形)型サービス群「NAVINECTラインビルド」の1サービスとして提供する。
食品安全管理DXは、HACCPに対応するために(1)管理規定策定・文書管理、(2)常時モニタリング、(3)衛生管理記録、(4)データ可視化・分析改善の4つの機能を提供する(図2)。管理規定策定・文書管理では、HACCPが求める文書のほか、食品安全の国際規格「ISO22000」「FSSC22000」に関連する文書を一元管理する。
常時モニタリングでは、温度計やデジタルはかりなどの生産装置と連携し、必要なデータを取得し帳票に入力する。管理基準を超えるデータを検知した際にはアラートで通知する。原材料に2次元バーコード(QRコード)を添付すれば個体識別により、レシピと照合しての誤投入を防止したり、使用期限や在庫量から発注タイミングを管理する。
衛生管理記録では、必要な点検作業などの実施を記録し、点検結果を記録する。データ可視化・分析改善では、原材料の入荷から製品出荷までの製造データを記録し、トレーサビリティを確保する。
食品安全管理DXを土台に、生産設備の遠隔監視やリモート制御、自動制御・予兆監視への拡張ができるとする。工場の自動化に向けたコンサルティングサービスも用意する。
食品安全管理DXの利用料金は月額11万5000円(税抜)から。別途初期費用がかかる。
TOPPANデジタルによれば、HACCPが求める管理項目は数が多く煩雑なため、人員不足の中小の食品製造業にあっては生産業務とHACCP対応の両立が課題になっている。