- News
- 製造
進ちょく状況を独自システムで可視化するEMS、OKIが開始
ものづくりを代行するEMS(electronics manufacturing service:電子機器製造受託サービス)をOKI(沖電気工業)が2025年6月に開始した。受託した製造工程の進ちょく状況を独自システムを介してオンラインで可視化する。委託企業は設備の稼働状況をリアルタイムに把握し、生産調整ができるとする。2025年6月19日に発表した。
OKI(沖電気工業)が2025年6月に開始する「まるごとEMS」は、電子機器などの製造受託サービス(図1)。(1)製品群単位の「製品群まるごとEMS」、(2)工程単位の「共通工程まるごとEMS」、(3)工場全体を対象にする「工場まるごとEMS」の3種のサービスを用意する。
製品群まるごとEMSは、顧客企業が設計リソースを集中したい特定の製品群を除いた製品群を対象にしたEMS。設計変更や代替部品への対応や、後継機種の設計・生産などを受託製造する。
共通工程まるごとEMSは、部品調達や棚卸管理、基板実装などの共通工程を横串で受託するもの。最新の生産設備や製造技術を投資を抑えながら利用できるとする。
工場まるごとEMSは、生産機能の全工程を代行する受託生産。工場・設備などの固定費を変動費化し経営効率を高められるという。
受託した製造工程については、独自システムを構築し、その進ちょく状況をリアルタイムに可視化する(図2)。顧客企業は、自社工場と同様に稼働状況をリアルタイムに把握し、生産調整ができるとしている。
可視化のためのシステムは、OKIの基幹システムと連携し、生産の進捗や在庫部品、品質やトレーサビリティに関するデータを収集する。これらデータを活用したQCD(品質、価格、納期)の改善活動も実施する。
OKIによれば、製造業を取り巻く環境は厳しさを増している。生産の国内回帰や技術進化の加速化・複雑化、新商品開発スピードアップなどが、その理由だ。加えて、成長分野・コア事業での教育・維持投資や、最新のAI(人工知能)技術の導入や老朽化設備の更新への投資も急務になっており、経営効率の向上が求められている。
OKIは、まるごとEMSで2028年度に年間100億円の売り上げを目標にする。