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大規模設備の保全データの一元管理サービス、エクサとCTCが開始

DIGITAL X 編集部
2025年7月3日

大規模設備の保全データを一元管理するサービスを、エクサと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が協業し2025年6月30日に開始した。米IBM製の設備保全アプリケーション「IBM Maximo Application Suite(IBM MAS)」を各社の保全業務に合わせてカスタマイズして提供する。同日に発表した。

 エクサと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が提供する「CTex-Cloud for Maximo」は、大規模設備における設備の保全データを一元管理するクラウドサービス。設備資産や保全に関するデータを一元管理し、設備の稼働効率を高められるようにする。電力会社や製造業、プラント事業者など大規模設備を持つ装置産業を中心に、米IBM製の設備保全アプリケーション「IBM Maximo Application Suite(IBM MAS)」をカスタマイズして提供する。

 CTex-Cloud for Maximoが管理するデータは、設備リストや、点検・修理の内容、管理コスト、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーで取得する設備データなど。設備の運用状況を監視・可視化するとともに、故障予測などに基づき設備点検や保全計画をAI(人工知能)技術を使って立案し、保全作業の最適化を図る。

 導入に向けては、エクサが上流工程からカスタマイズを含めた導入・保守、導入時のデータ登録やデータチェック、導入後のヘルプデスクや運用のための教育までを支援する。

 IBM MASの動作環境としては、米AWS(Amazon Web Services)製のクラウド上にコンテナの実行環境「Kubernetes」をCTCが用意する。コンテナアプリケーションの開発・実行基盤「Red Hat OpenShift Container Platform」(米Red Hat製)を利用し、各社のセキュリティポリシーや固有要件に対応する。

 今後3年間で10億円の売り上げを目標にする。

 両者によれば、工場や発電所などの設備点検や保全作業では、図面や点検記録の確認、要員のスケジュール管理、作業依頼書の作成などの手作業が多く、手間と時間の増大に加え、業務の属人化が進む傾向がある。一方で、人手不足が深刻化しており、設備の維持・管理データの一元化や業務フローの見直しが必要になっている。