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社内文書を対象に複数のLLMを連携・制御し回答精度を高めるAIエージェント、Spark+が提供開始

DIGITAL X 編集部
2025年8月4日

熟練者の暗黙知などを含む社内文書を参照して回答するAI(人工知能)エージェントの提供をAI技術開発のSpark+が2025年7月31日に開始した。テキストやグラフ、画像などを含むPDF文書などの参照能力が高いという。同日に発表した。

 AI技術開発のSpark+の「ORION」は、業務上の質問にチャット形式で回答するAI(人工知能)エージェント。複数のLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を連携・制御する「オーケストレーション機構」を持ち、グラフや表、画像などを含む社内文書を参照しながら回答を生成する。熟練者の暗黙知などが含まれる社内文書から必要な情報を得るのに必要な時間を短縮し、社内での活用を容易にする。

 Spark+によれば、ORIONは製造業における技能継承を目的に開発がスタートした。製造業が持つ社内文書には、複雑な図表やグラフなどを含むPDFデータが多く「情報が伝達されずノウハウが共有できない」「情報検索にかかる時間や手間が大きい」などが課題になっていた。製造業を対象にした同社の検証では、実務を想定した60問からなるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)ベンチマークでの正答率は91.7%だった。

 そこでの取り組みを基に、他業種でも利用できるようにしたのがORIONだとしている。業務マニュアルや報告書、議事録、社内FAQ(良くある質問と答)などを対象にすることで、属人化している業務のノウハウなどが利用可能になるという。