- News
- 医療・健康
高齢者の身体的フレイルリスクを可視化するAIシステム、電通総研が開発
転倒や加齢に伴って身体の機能が低下する「身体的フレイル」のリスクを可視化する体力測定システムを電通総研が開発した。2025年8月下旬から全国の自治体やスポーツ施設を対象に提供を始める。2025年7月25日に発表した。
電通総研の「DigSports(ディグスポーツ) フレイモ」は、高齢者を対象にした体力測定システム。転倒や加齢に伴い身体機能が低下する「身体的フレイル」のリスクを判定する。指定する運動の実施状況を撮影した画像をAI(人工知能)技術で認識し、そこから体力レベルを算出し提示する(図1)。高齢者が体力測定を楽しめ、結果から運動習慣を見直し主体的に身体的フレイルの予防に取り組めることを狙う。全国の自治体やスポーツ施設を対象に2025年8月下旬から提供を始める。
体力測定では、システムが着座姿勢での体幹回旋運動やステッピング、立位での椅子からの立ち上がり、2ステップ、開眼での片足立ちなどの運動をガイダンスする。対象者が運動する姿を撮影し、その画像をAI技術で解析することで回数や時間などを測定する。着座姿勢での体幹回旋運動の測定技術では特許を取得した。
測定値から、身体の柔軟性や俊敏性、筋力、歩行能力、バランスなどの項目ごとに、体力スコアや健康年齢、リスクを算出する。そのうえで身体的フレイルを予防するための運動や食事に関するアドバイスを提供する
電通総研は、2019年に適性スポーツの判定サービス「DigSports」を開始。2021年からは健康づくりシステムの研究開発に取り組んでいる。2024年には広島県での運動習慣化促進事業の支援や、生成AI技術を使った部活動のスポーツ指導支援などを提供している。
DigSports フレイモは、これまでの知見を元に、元医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究センター客員研究員で、現在は東北大学大学院 医工学研究科 スポーツ健康科学 教授を務める山田 陽介 氏の監修下で開発した。