- News
- 製造
点検・修理などフィールド業務の管理サービス、日本オラクルがNetSuiteユーザー向けに発売
点検や修理などのフィールドサービスを対象にした管理サービスを日本オラクルが2025年7月23日に開始した。同社のERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システム「Oracle NetSuite」のアドオンモジュールとして提供する。現場作業とオフィス業務を統合管理し、初回対応の完了率や業務効率の向上を図る。同日に発表した。
日本オラクルの「NetSuite Field Service Management」は、点検・修理・設置などのフィールドサービス業務の管理サービス。現場での人員の最適配置などを実現することで、現場の対応品質や初回修理の完了率、運用効率などの向上につなげる。同社のERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システム「Oracle NetSuite」のアドオンモジュールとして提供する。
NetSuite Field Service Managementでは、フィールドサービスに関わる人材や部品在庫、作業状況、請求処理などを一元管理する。そのために(1)スケジューリング、(2)顧客資産情報の可視化、(3)運用インサイト、(4)フィールドワーカー向けモバイルアプリケーション、(5)財務処理の自動化の5つの機能を提供する。
スケジューリングでは、NetSuiteが管理するケースや注文書、プロジェクト、顧客資産情報などと連携しながら、GPS(全地球測位システム)情報に基づいて、対象の現場に近く必要なスキルを有する作業員を選び派遣できるようにする(図1)。人員の割り当てはドラッグ&ドロップでできる。保証交換や予防保全、修理サービスなど、種々の契約形態に対応する。
顧客資産情報の可視化では、NetSuite上に蓄積された顧客資産の利用状況や構成情報から、機器や部品の状態を階層的に把握できるようにする。各資産の設置から運用、廃棄までのライフサイクル全体を監視し、予防保全や保証スケジュールに応じたサービス提供に役立てる。BOM(Bill of Materials:部品表)や製造情報と連携した原価や保証対象範囲の追跡・管理にも対応する。
運用インサイトでは、全フィールドサービスの業務データを集約し、現場作業員の業績や顧客別対応状況といった評価指標をダッシュボードで確認する。マネジメント層は、業務のパフォーマンスやボトルネックを把握し、戦略的な改善策を講じやすくなるという。
現場作業員向けモバイルアプリでは、スマートフォンやタブレット対応の専用アプリを用意し、サービス業務の作業指示や顧客情報、資産履歴などへのアクセスを可能にする(図2)。情報不足による作業の中断やオフィスへの電話のかけ直しを削減し作業効率を高める。現場で発生した経費の記録もアプリ内で完結できる。
財務処理の自動化では、作業に使用した部品や実施したサービス内容から請求書を自動で作成する。請求ミスや転記のための手作業をなくし、請求業務の効率を高める。
日本オラクルによれば、フィールドサービスでは現場と管理部門の間に情報連携やコミュニケーションの不足があり、顧客の不満や再訪、部品の過剰在庫など、サービス品質やコスト面の課題がある。