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製造現場での安全防具着用を検知するAIカメラシステム、仏シュナイダーとソニーセミコンが共同開発
2025年8月15日
製造現場で働くスタッフが安全防具を着用しているかどうかをAI(人工知能)カメラで検知するシステムを仏シュナイダーエレクトリックとソニーセミコンダクタソリューションズが共同開発し発売した。仏シュナイダーの泉大津事業所にはテスト導入もしている。2025年8月6日に発表した。
仏シュナイダーエレクトリックとソニーセミコンダクタソリューションズが共同開発したのは、製造現場で働くスタッフの安全確保を強化するためのシステム。ヘルメットや安全靴、安全ジャケットといった安全防具をきちんと着用しているかどうかをAI(人工知能)カメラで撮影・検知する。未着用を検知するとアラート音やライトなどで通知する。
発売に先だち、シュナイダーの泉大津事業所にテスト導入した(図1)。同事業所は、HMI(Human Machine Interface)や産業用コンピューターなどの最終組み立てや個別カスタムのための拠点。部品の保管エリアでは安全防具の着用を義務付けている。システム導入により、安全防具を着用せずに侵入・作業している状態が削減でき、現場の安全性と管理効率が高まったとしている。
検知システムは、シュナイダーの産業用コンピューター「PS6000シリーズ」とソニーのインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を組み合わせて開発した。IMX500はAIアプリケーションを搭載し、カメラ側で画像認識処理を実行する。画像処理のためのクラウド接続などが不要になり、既存の製造用ネットワークに接続して利用する。
今後は、検知対象を目視検査や生産設備の監視などに広げる計画だ。シュナイダーグループの英AVEVAが提供するクラウド「CONNECT(コネクト)」とのデータ連携を強化し、収集したデータの分析や、より高度な意思決定への利用も提案するとしている。