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店頭での顧客の購買行動を可視化するAIサービス、フューチャースタンダードが25年9月に開始
小売り店頭での顧客の購買行動を可視化するAI(人工知能)サービスを、映像解析技術を開発するフューチャースタンダードが2025年9月1日から開始する。カメラ映像から顧客の動線や商品への興味、購買の有無などを分析し、店舗レイアウトや販促施策の改善に活用できるという。2025年7月30日に発表した。
映像解析技術を開発するフューチャースタンダードの「SCORER People Tracker」は、小売店舗内での顧客の購買行動を可視化するサービス。店内に設置したカメラの映像から顧客の動線や興味を持った商品、購入の有無などを分析し、店舗レイアウトや販促施策などの改善に利用できるようにする。2025年9月1日から提供を開始する。
SCORER People Trackerでは、カメラ映像から個人を特定し、その動きを追跡する。複数台のカメラをまたぐマルチカメラトラッキングや、人物の風貌から年齢や性別を推定する属性推定の技術を組み合わせて精度を高めているという。
分析できるのは(1)エリア間の関連性と通過量の可視化、(2)顧客回遊ルートの把握、(3)滞在時間と購買行動の分析、(4)レジ通過者の分析の4つ。
エリア間の関連性と通過量の可視化では、店内で顧客が移動したエリア同士の関係性を、ネットワークダイアグラムで図解する(図1)。顧客がよく通るエリアと立ち寄りの少ないエリアを特定できる。
顧客回遊ルートの把握では、多くの顧客がたどった回遊ルートを抽出する。セール品の配置や陳列場所、店舗レイアウトなどの見直しに利用できる。
滞在時間と購買行動の分析では、顧客ごとに店内の滞在時間を計測し、行動パターンと購買の関係性を分析する。年齢や性別などの属性による分類ができる。
レジ通過者の分析では、実際に商品を購買した顧客の行動を記録・分析し、購入しなかった顧客との違いを明確にする。POS(Point of Sale:販売時点情報管理)データと連携し特定の商品を購入した顧客の行動に注目する分析機能の実装も予定する。
店内にはIPカメラを設置し、映像はインターネット経由で画像解析用サーバーに送る。サーバー上では7日間分の映像を録画・再生でき、防犯用途や接客指導などの店舗運営にも利用できる。
利用料金は、カメラ10台と解析用サーバー、スイッチングハブを含む基本構成で、初期費用が275万円(税込、以下同)、年次費用が66万円。設置工事費用が別途かかる。