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COBOL資産のマイグレーションに「Watsonx」を利用するサービス、PKUTECHが日本IBMと共同開発
メインフレーム上などで動作しているCOBOL資産のマイグレーションに米IBM製のAI(人工知能)製品群「Watsonx」を利用するサービスを、ITサービス会社のPKUTECHが日本IBMと共同開発し発売した。生成AI技術やAIエージェントを利用し、ソースコードからのJava言語への変換や関連文書の作成などを自動化した。2025年8月6日に発表した。
ITサービス会社のPKUTECHが販売する「Egeria-NextCode」はメインフレーム上などで動作しているCOBOL資産のマイグレーションサービス。米IBM製のAI(人工知能)製品群「Watsonx」に含まれる生成AI技術やAIエージェントを利用し、COBOL言語からJava言語への変換や、関連文書の作成などを自動化する仕組みを日本IBMと共同開発し、PKUTECHが販売する。マイグレーションにかかる工数を手作業と比較して約70%削減できるとして、大規模なCOBOL資産を抱える金融業や製造業、公共部門などに提案する。
Egeria-NextCodeはマイグレーションを(1)COBOL資産の分析、(2)プログラミング言語の変換、(3)テストの3段階で実施する(図1)。分析段階では、ソースコードからプログラム一覧を作成しプログラム間の関連性を可視化する。ドキュメント類はAIエージェント「watsonx Orchestrate」(米IBM製)を使って作成する。
変換段階では、資産分析に基づき、変換パターンや設計上の考慮点をwatsonx Orchestrateで抽出し変換ルールを策定・改善する。そのうえでPKUTECHの変換ツールとAIチューニング技術に、コード変換エージェント「watsonx Code Assistant」(米IBM製)を組み合わせて、COBOLのソースコードをJava言語に変換する。事前検証ではコードの変換率は97.4%で、可読性も高まったとしている。
テスト段階では、watsonx Orchestrateとwatsonx Code Assistantを使って、変換後のJavaプログラムに対する単体テスト用のテストケースを生成する。
今後は、日本IBMの技術支援を受けながら、要件定義やテストの自動化などへのAIエージェントの利用を進める。並行して、システム開発領域に特化したAIエージェントの独自開発も検討する。
PKUTECHによれば、国内で動作しているCOBOL資産は、日本特有の仕様や技術者不足により企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を阻む障壁になっている。COBOL資産の可視化やJava言語などへ変換・移行への生成AI技術の適用が期待されている。