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オフィスや商業施設などにロボットやAIの導入を建物の設計前から支援するサービス、KDDIが開始
オフィスや商業施設などにロボットやAI(人工知能)技術などを導入する際のコンセプト作りや設計などを支援するサービスを、KDDIが2025年8月19日に開始した。建物などを建てる初期段階から技術導入を前提にした設計にすることで、再設計や再工事のリスクを低減するという。同日発表した。
KDDIが2025年8月19日に開始した「KDDI Smart Space Design」は、オフィスや商業施設などに通信やロボット、AI(人工知能)技術などのテクノロジーを導入するための支援サービス(図1)。建物などを企画・設計する初期のコンセプト策定段階からテクノロジーの利用を前提に組み込むことで、それぞれを利用しやすい環境を実現し、再設計や再工事のリスクの低減を図る。日本および東南アジアを中心に、オフィスや倉庫、商業施設や店舗などの新設や移転、リノベーションを対象に提供する。
KDDI Smart Space Designが支援するのは、テクノロジー利用に向けた(1)コンセプト策定、(2)設計、(3)構築・施工、(4)保守・運用まで。コンセプト策定では、顧客へのヒアリングやワークショップによりニーズや課題を明らかにした上で、デジタルを組み合わせたコンセプトを策定する。例えば、人流データを使ったシミュレーションで人の動きや滞留場所を把握し、センサーや機器の設置場所を決める。
設計では、通信やテクノロジーなどの組み合わせを考慮し空間を設計・レイアウトする。2026年度からは、マルチベンダーでの什器選定やレイアウト作成、見積もりなどのための生成AIツールを無償で提供するとしている。最短15分で見積もれるという。
構築・施工では、工事の進捗や品質の管理、施工会社間の調整を支援する。什器・機器のプランサービスの提供を予定する。
保守・運用では、導入したロボットなどの定期メンテナンスに加え、会議室予約や入館登録を代行するBPO(ビジネスプロセスアウトソージング)サービスも用意する。物理的なセキュリティとネットワークセキュリティに対応したり、収集した行動データから継続的な改善策を提案したりする。
KDDIによれば、オフィスや商業施設などにロボットやAI技術などを組み込む場合、一般にはコンセプト策定と設計が完了した後に通信事業者などに導入を依頼している。結果、検討の不備により再設計や再工事が必要になることがあり、コスト増や納期遅延が発生したり、テクノロジーを組み込めなかったりしている。
KDDIはオフィスの環境構築を1989年から国内外で支援している。2024年度は8000社を支援したという。最近は東京都品川区の「TAKANAWA GATEWAY CITY」のまちづくりに参加し、配送ロボットやフロアの混雑状況の可視化などを支援している。