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ERPやロボットと連携する倉庫業務の管理サービス、コマースロボティクスが2025年10月に開始

DIGITAL X 編集部
2025年9月5日

ERP(Enterprise Resource Planning:企業経営資源計画)などの外部システムやロボットとの連携機能を持つ倉庫管理サービスをコマースロボティクスが2025年10月から開始する予定だ。まずはトライアル版の提供を開始した。2025年9月1日に発表した。

 コマースロボティクスの「Logi Gram(ロジグラム)」は、倉庫管理ためのクラウドサービス(図1)。現行の倉庫管理サービス「AiR Logi(エアロジ)」の上位版の位置付けで、ERP(Enterprise Resource Planning:企業経営資源計画)システムや基幹システムといった外部システムやロボットと連携するための機能を持たせた。トライアル版の提供を始めており、製品版は2025年10月から提供する。既に大手物流会社や大手流通会社の導入が決定しているという。

図1:倉庫管理サービス「Logi Gram(ロジグラム)」の概要

 Logi Gramは(1)受注管理のOMS(Order Management System)、(2)倉庫管理のWMS(Warehouse Management System)、(3)倉庫実行のWES(Warehouse Execution System)の3システムからなっている。

 外部システム連携機能を搭載するのはOMS。ERPシステムや販売管理システム、EC(電子商取引)サイト、POS(Point of Sales:販売時点管理)システムなどからの入出荷データを取り込み、WMSでの在庫引当処理をしたうえで管理する。スケジュールに基づくバッチ処理や伝票発行作業などもできる。

 一方のロボット連携機能はWESが持つ。物流向けロボットの管理システムと接続するためのAPI(Application Programming Interface)およびSFTP(SSH File Transfer Protocol)を用意する。対応するロボットは、ギークプラスやハイロボティクスジャパン、Gaussy製である。

 WESはピッキング作業の指示をロボットと人に割り振るほか、ロボットがピッキングできない商品を人にピッキングさせたり、ロボットと人が連携してピッキングしたりを可能にする(図2)。

図2:Logi GramのWESではピッキング作業をロボットと人に割り振って効率を高める

 ただロボットの位置管理機能はWMSが持つ。WMSはほかに印刷業務やハンディターミナルを管理する機能も持つ。WMSとWESでは、配送センターとECサイトのそれぞれに最適化した管理画面を提供する。

 コマースロボティクスによれば、ERPのクラウド化が進む中、クラウドERPと連携し、かつDCとECの双方に対応できるWMSは多くない。またロボットの利用に対し3PL(3rd Party logistics)事業者には複数の荷主で共有したいというニーズがあるが、多くのWMSは荷主単位で管理しており、共有利用には多額のシステム開発費が発生する。