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製造から物流・販売までのデータから物流の最適化を図るSCMサービス、ギークプラスが提供
製造から物流・販売までの業務システムが持つデータを統合し物流業務の最適化を図るSCM(Supply Chain Management)サービスを、物流ロボットなどを手掛けるギークプラスが2025年8月21日に提供開始した。統合したデータを基に、需給計画や生産指示を作成し、在庫ロスや輸送コストを圧縮できるという。同日に発表した。
物流ロボットや関連サービスを手掛けるギークプラスの「skylaa(スカイラー)」は、物流業務の最適化を図るためのSCM(Supply Chain Management)のクラウドサービス。例えば、複数の倉庫を管理している場合、距離や運送コストなどを条件に、在庫の引き当てや出荷拠点を選定したり、欠品時に別の倉庫から引き当てたりが可能になるという。2025年8月21日から提供している。
そのために、ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源管理)やOMS(Order Management System:受注管理システム)、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)など既存の業務システムが持つデータを統合し、製造現場や倉庫、店舗などに対する指示をAI(人工知能)技術を使って自動調整する。
skylaaの主な機能は(1)需給シミュレーション、(2)発注量の自動計算、(3)ダッシュボードの3つ。需給シミュレーションでは、需要予測や在庫量、リードタイムなどを考慮し一定期間の需給ギャップを可視化する(図1)。潜在的な欠品リスクや過剰在庫の兆候を早期に把握できるとする。
発注量の自動計算では、SKU(Stock Keeping Unit:在庫管理単位)ごとに、サプライヤーのMOQ(Minimum Order Quantity:最小発注数量)や納品先、納期などの条件を加味し必要な数量を算出する。複数商品を同時に扱う際の調整もできるとする。
ダッシュボードでは、出荷数の推移や回転率の高いSKUのリストをリアルタイムで表示する(図2)。倉庫や店舗の在庫状況を横断的に分析し、データに基づく意思決定につなげられるという。
ギークプラスによると、製造業では製品を「何を、どれだけ、どこに」運ぶかの判断が重要視されるものの、その判断に必要なデータが部門ごとに管理されている。結果、EC(電子商取引)や卸売、店舗向けなどの別に最適化したフローを現場に適用するには、担当者が手作業でデータを加工・指示するケースが多く、在庫や輸送の効率化を妨げている。