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都市のAI活用の注目領域は医療、教育、都市管理、カウンターポイントリサーチの調査

DIGITAL X 編集部
2025年9月29日

「都市におけるAI(人工知能)技術の適用領域のトップは医療分野」−−。こんな調査結果をテクノロジー専門の市場調査会社であるカウンターポイントリサーチが2025年9月4日に発表している。主要100都市におけるAI導入率ではシンガポールがトップだった。

 テクノロジー専門の市場調査会社であるカウンターポイントリサーチの『2025年世界AI都市指数』は、世界の主要100都市におけるAI(人工知能)技術の導入状況に関する調査。官民両セクターにおける5000件以上の取り組みを、通信インフラの強固さや大学の成果、スタートアップエコシステムの強固さなどで分析している。

 同調査によれば、2025年のAI導入率で世界トップに立った都市はシンガポールだった。それに韓国・ソウル、中国・北京、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイドバイ、米サンフランシスコが続く。

 調査では都市のAI技術活用で、どの領域が注目されているかも調べている。世界の主要なAI技術を活用している都市が最も注目しているのはヘルスケア分野で、2位が教育分野、3位は都市管理分野である。

 ヘルスケア分野への注目が高いのは、住民の健康増進を図るために、より正確で効率的な方法を提供したいと考えているため。そのため、世界の大都市圏における320件のヘルスケア分野の取り組みを分析した結果では「スマート病院・スマートクリニック」の人気が34%で最も高かった(図1)。ヘルスケア分野の取り組みでトップに立つのはソウルで、それにシンガポールとスペイン・マドリードが続く。

図1:ヘルスケア分野におけるAI技術活用での適用分野

 教育分野では世界トップ100都市圏で290件の取り組みが確認されたという(図2)。教育分野では北京が総合的にリードし、ソウルとマドリードが続いている。北京市は2025年9月から、6歳以上の全ての小中学生にAI技術の正式な研修を受けることを義務付けてもいる。

図2:教育分野におけるAI技術活用での適用分野

 都市管理分野では、世界の主要100都市圏で238件の取り組みが確認された。同分野の全体的なリーダーはインドのベンガルールで、東京とソウルが続く。

 最も一般的な応用例は交通管理で、分析対象の全プログラムの22%を占める(図3)。2番目は意思決定の改善だ(17%)。例えば、米テキサス州オースティン市は、建築許可申請プロセスをAI技術で自動化し、プロセスの迅速化と透明性を高めている。

図3:都市管理分野におけるAI技術活用での適用分野