• News
  • 共通

空調設備・熱源機器をAIで制御しエネルギー効率高めるサービス、AI開発のアラヤが開始

DIGITAL X 編集部
2025年9月30日

ビルなどの空調設備と熱源機器を自動制御するサービスを、AI(人工知能)技術を開発するアラヤが開始した。室内環境の快適さを保ちながらエネルギー消費量が最小になるように制御するという。2025年9月25日に発表した。

 AI(人工知能)技術を開発するアラヤの「ConsciousAir(コンシャスエアー)」は、空調設備と熱源機器をAI技術を使って制御するサービス(図1)。室内環境の快適さを保ちながら、空調設備と熱源機器が使用するエネルギー量が最小になるように制御するという。商業施設やオフィスビル、地域冷暖房、公共施設、データセンター、医療・福祉施設、大学キャンパス・教育施設などの中・大規模施設の運営事業者を対象に提供する。

図1:アラヤの「ConsciousAir」の空調設備と熱源機器の制御の概要

 ConsciousAirでは、電力値や設定温度、室内温度、外気温度などのデータから将来の室内環境の状態を予測。その結果に基づきエネルギー消費量が最小になるように機器を制御する。このサイクルを繰り返し、予測・制御用のAIモデルは自律的に学習するとしている。既存の空調システムにAIコントローラーを後付けするだけで運用を開始でき、追加のセンサーや現地機器は基本的に不要としている。

 サービス開始に先立つ実証実験では、手動運転と比較し、電力消費量を約11〜34%削減できたとする。熱源送水温度の制御では、冷房期間における熱源機器の消費電力を約12%削減したという(図2)。

図2:サービス開始に先立って実施した実証実験での削減効果

 アラヤによれば、空調は、建物全体のエネルギー消費の大きな割合を占めており、省エネルギーのための空調の最適化への期待が高まっている。しかし、既存の空調システムの更新には多額の投資が必要なほか、快適性を犠牲にした節電対策では、利用者満足度や生産性の低下を招く恐れがある。