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社内ノウハウを構造化し生成AIで可視化・共有するための環境構築サービス、DNPらが開始

DIGITAL X 編集部
2025年10月15日

社内ノウハウを可視化・共有するための環境構築サービスをDNP(大日本印刷)とDNPコアライズが開始した。社内ノウハウの構造化を図り生成AI(人工知能)技術が学習しやすい形にしたうえで、生成AIにより可視化し共有できるようにする。DNPが2025年10月7日に発表した。

 DNP(大日本印刷)とDNPコアライズが提供する「DNPノウハウ継承支援サービス」は、ベテランなど社員が持つノウハウを整理し、可視化・共有するための環境を構築するサービス(図1)。少子高齢化で企業が直面しているノウハウの継承や人材不足といった課題の解決につなげられるとする。

図1:DNP(大日本印刷)とDNPコアライズが提供する「DNPノウハウ継承支援サービス」の概要

 DNPノウハウ継承支援サービスではまず、属人化している情報や社内に分散する情報を収集する。次に、有識者のノウハウの形式知化と紙の文書の電子化をした上で生成AI(人工知能)技術が学習しやすいように、独自技術で構造化を図る。

 構造化データをLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)やRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を使って可視化し、チャットボットなどをインタフェースにノウハウの共有を図る。

 システムの設計時に、企業独自の文化やルールなどにも配慮するほか、稼働後も利用状況を月次レポートから分析したり、FAQ(よくある質問と答)データの最適化やAI技術のチューニングなどにより回答精度を維持・向上させるとしている。

 サービス提供に向けてDNPは、社内の熟練技術者が持つノウハウの伝承・継承に向けたインタビューやワークショップを実施し、その整理や言語化の方法を検証ながら仕組みを整備してきたという。

 先行導入した日本自動車工業会と日本自動車部品工業会では『自動車産業サイバーセキュリティガイドライン』に関する問い合わせ対応に利用したところ、回答精度は90%だったとしている。今後は、両工業会で得られた定量・定性の効果を踏まえて機能を拡張する計画だ。

 DNPとDNPコアライズは、2026年度までに累計100件の採用を目標にしている。