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電話やメールなど複数チャネルにおけるVoCを統合・解析するためのデータ基盤、IVRyが提供開始
電話やメール、チャットなど複数チャネルにおけるVoC(Voice of Customer:顧客の声)と営業内容を統合し解析するためのデータ基盤の提供を、音声対応のAI(人工知能)技術を開発するIVRyが開始した。リスク検知や業務プロセスの効率化・標準化、顧客関係の強化などにつながるという。2025年11月6日に発表した。
音声対応のAI(人工知能)技術を開発するIVRyの「IVRy Data Hub」は、コンタクトセンターやカスタマーサポート窓口などが運営する電話やメール、チャットなどの複数チャネルにおいてやり取りされるVoC(Voice of Customer:顧客の声)と、顧客に対する営業内容を統合し解析するためのデータ基盤(図1)。音声やテキストなどを非構造化データを解析可能な構造化データに変換し、データに基づく判断などを可能にする。同社の対話型音声AIサービス「アイブリー」の1機能として提供する。
IVRy Data Hubでは(1)リスク検知、(2)業務プロセスの効率化・標準化、(3)エンゲージメントの最適化の3領域のためのデータ変換機能を提供する。いずれも自然言語を使ったインタフェースにより操作する。
リスク検知では、顧客接点で発生するネガティブ事象やコンプライアンスリスクを検知し、ブランドの保護と法的リスクの最小化につなげる。そのためにクレームやカスタマーハラスメントにつながる内容を検知・分類することで、重要度に応じて関係部署に通知する。併せて、過去の類似事例から最適な対応策を提案する。
業務プロセスの効率化・標準化では、手作業による報告業務を代替し、組織としての運用品質を高める。マネジャーの日報・週報・月報の作成負荷を削減するとともに、ダッシュボードによる可視化を図る。優秀なスタッフのノウハウを分析・抽出し、研修教材を生成したり個別指導を支援したりもする。
エンゲージメントの最適化では、ロイヤルカスタマーやリピートの可能性を検知・予測し、最適なタイミングでパーソナライズされたアプローチを提案する。「誰に、どのタイミングで、どれだけ電話すべきか」といった営業活動を可視化すると共に、実施状況をモニタリングし過不足を通知する。
IVRy Data Hubは、外部システムとの接続機能や、データをコピーせずに直接参照する「ゼロコピー」機能も用意する。
IVRyによると、通話やメール、チャットなどにおけるデータの多くは構造化されておらず、現場の運用品質や顧客満足度、企業のガバナンスやブランドの信頼性に影響を及ぼす可能性がある。特に近年は、労働力不足が深刻化しており、属人化を廃し、データに基づく意思決定と自動化の仕組みの整備が急務になっている。
