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ラズパイを使う製造業向けエッジAIシステム、IdeinとCTCが共同開発へ

DIGITAL X 編集部
2025年11月28日

製造ラインを対象にしたエッジAI(人工知能)システムをエッジAI基盤を持つIdeinと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が共同で開発する。汎用のコンピューターボード「Raspberry Pi(ラズパイ)」をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスとして利用し、データ収集やエッジアプリケーションの実行を可能にする。2025年11月20日に発表した。

 エッジAI(人工知能)基盤を持つIdeinと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が共同開発するのは、工場内の製造ラインを対象にしたエッジAIシステム(図1)。汎用のコンピュータボード「Raspberry Pi(ラズパイ)」をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスに位置付け、それを一元管理し製造ラインのデータを収集すると同時に、ラズパイ上でのAIアプリケーションの実行を可能にする。

図1:IdeinとCTCが共同開発するエッジAIシステムの概要

 汎用デバイスを使ったIoTは導入が容易な半面、管理が不十分でセキュリティ設定やソフトウェアの更新が徹底されないケースが少なくない。開発するシステムでは、そうした課題を解消するとともに、製造現場でのデータの収集・利用を促進することで、製造品質や業務効率の向上につながるとする。

 システムは、IdeinのエッジAI基盤「Actcast」とデバイス用基本ソフトウェア「Actcast OS」を使って開発する。汎用デバイスにActcast OSを搭載し、センシング用のアプリケーションやAIアプリケーションを実行できるようにする。Actcastからは、デバイスの監視やファームウエアの更新、ユーザーグループの管理、データ転送、アプリケーション管理を実行する。

 収集したデータの分析に対しは、CTCのデータ活用支援サービス「D-Native」を用意する。IoTセンサーで得た温度・湿度や寸法・重量、エネルギー消費量などを可視化・分析する。CTCが伴走型で支援することで、品質のばらつきや異常傾向などを早期に把握できるようになるという。

 Raspberry Pi上で実行するアプリケーションの開発環境もCTCが用意する。作業の効率化や品質検査の自動化などの独自アプリの開発ができる。アプリ開発をCTCが支援することで、現場主導の業務改善が可能になるとする。

 IdeinとCTCはこれまでに、汎用デバイスを使った「体温検知AIデバイス」や、カメラ映像をエッジAIで解析する製造業や小売業向けシステムを開発してきた。今後は、塗装・組み立て機械などの産業用ロボットの制御に対応するエッジAIシステムを用意する計画だ。