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食品の製造・包装工程における外観検査を自動化するAIシステム、HACARUSが提供開始
2025年12月3日
食品の製造/包装工程における外観検査を画像認識技術で自動化するシステムの提供を、AI(人工知能)サービスを手掛けるHACARUSが開始した。搬送装置や照明、カメラなどを含めてシステム全体を設計・提供する。学習時に、多数の不良品画像ではなく、良品の少ない画像で認識精度が高いのが特徴で、短期間・低コストで導入できるとする。2025年11月27日に発表した。
AI(人工知能)関連サービスを開発・提供すHACARUSの「食品パッケージ向けAI外観検査ソリューション」は、食品の製造・包装工程に対し、画像認識技術を使って、包装や異物混入、形状不良などの外観検査を自動化するためのシステム(図1)。目視検査の負担軽減や省人化、検査精度の向上につなげられるとする。
画像認識技術による外観検査では、袋やパウチ、トレイ包装などの包装形態や、包装不良や異物混入、形状不良、商品欠け・破損などに対応する(図2)。そのための学習データとしては、少量の良品画像で良いとする。大量の不良画像を集めなくて良く、短期間・低負担で導入できるという。運用後には、良品や不良品のアノテーションデータを追加学習することで、見逃し抑制と過検出防止の精度を改善できる。
今後は、工程改善やトレーサビリティとの連携、現場スタッフへのフィードバック機能の強化などを計画している。
HACARUSによると、食品の製造・包装現場では目視検査に依存しており、多くの人手と時間を要している。結果、検査作業の属人化や精度のばらつき、人手不足といった課題が深刻化している。一方、X線などを使う特殊装置による検査は高額で汎用性にも乏しく、中小規模の食品メーカーには導入のハードルが高い。

