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建設業の技術情報を検索するためのAIエージェント、日立ソリューションズが北野建設と共創し開発
建設業における技術情報を検索するためのAI(人工知能)エージェントを、日立ソリューションズが2025年12月4日に発売した。作業手順や標準仕様書などを検索する。2024年4月に開始した北野建設との共同検証結果を元に開発した。2025年12月3日に発表した。
日立ソリューションズの「建設業向けAIエージェント活用ソリューション」は、建設業が扱う社内外の技術情報を検索するためのAI(人工知能)エージェントのサービス(図1)。2024年4月から2025年3月末までに北野建設と共同で実施した検証結果を踏まえ、開発した。チャット形式で質問に回答し、技能継承や現場作業の省力化につながるとする。
建設業向けAIエージェント活用ソリューションの第1弾として、社内の作業手順や国土交通省や自治体が公開している標準仕様書などを対象にした検索機能の提供を2025年12月4日に開始した。検索したい文書をクラウドにアップロードすると、暗号化した上で、自社専用の生成AI環境で利用できるようにする。新旧の標準仕様書の差異比較もできる。今後は、文書作成支援機能などを開発し機能の拡充を図るという。
北野建設との共同検証では、AIチャットサービス「ChatGPT」(米OpenAI製)とRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術を組み合わせ、国交省の公開資料や北野建設が持つ資料を対象に、文字、図と画像、表のデータを構造化しベクトルデータベースを構築。PCやタブレットからチャットボットと対話し、業務に関する情報収集に対する回答精度を検証した。
北野建設の代表取締役会長 兼 社長の北野 貴裕 氏は「当社は『魅力的で働きやすい環境』の整備を目指し、生成AI技術活用による全社的な業務効率向上に挑戦している。技能継承や現場作業の効率化といった課題解決に向けては今回の『建設業向けAIエージェント活用ソリューション』が大きな役割を果たすと感じている。今後の拡充にも期待する」としている。
日立ソリューションズによると建設業では、労働人口が減少し熟練技術者の高齢化が進む中、現場の生産性向上や安全確保が課題になっている。その解決策として生成AI技術への期待が高まっているが、専門性が高い現場の業務に利用するには、自社専用の生成AI環境を構築する必要がある。
