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日本人の心を表すデジタルツイン、MRIとNECソリューションイノベータが共同研究
サイバー空間に日本人の心を再現する「ヒューマン・デジタルツイン(HDT)」の共同研究を三菱総合研究所(MRI)とNECソリューションイノベータが開始した。シンクタンク領域のコスト抑制や高速化、関連サービスの開発などにつなげる。2025年12月15日に発表した。
三菱総合研究所(MRI)とNECソリューションイノベータが共同で研究するのは、日本人の心をデジタル化してサイバー空間に再現する「ヒューマン・デジタルツイン(HDT)」に関する技術(図1)。シミュレーションやサービス設計に利用するための実証などにも取り組む。シンクタンク領域のコスト抑制と高速化に利用するほか、個々人のニーズに対応できるサービスの開発や社会基盤の改善などにつなげる。研究成果は2026年末をメドに取りまとめ公表する予定である。
両者が研究するのは、人の姿勢や動作などの外観的な情報に加え、心理状態や価値観、パーソナリティー、感情といった内面的な情報も反映できるHDT。内面的な情報も持つことで、例えばアンケートやインタビュー結果に対し、個人や集団の傾向や意思決定に至る経緯などを含めたシミュレーションが可能になり、実際に調査しなくても、世代や地域の価値観を踏まえた政策立案やマーケティングなどに利用できるようになるという。
研究では、大規模な心理的特性データを学習させたHDTを開発し、サイバー空間での再現可能性を検証する(図2)。NECソリューションイノベータが日本人の心理・行動特徴を学習したHDTおよび実験環境を構築し、MRIが実世界として日本国内での人への行動変容を促す介入実験および、そのための実験用データを用意する。その後は両者で実験に取り組み、実験結果を比較・分析することで、日本人の心理・行動特徴を学習したHDTの再現可能性を評価する。
実験に向けては、NECソリューションイノベータのシステム実装力と、MRIの社会課題の分析・政策立案に関する知見、および両者の行動経済学の知見を組み合わせる。
両者にれば、HDTでは人の姿勢や動作など外観的な情報を反映し、物理的な身体負荷などをシミュレーションする事例が先行している。

