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水産業者との直接取引を可能にする流通プラットフォーム、TISが提供開始

DIGITAL X 編集部
2026年1月8日

水産業者との直接取引を可能にするBtoB(企業間)型流通プラットフォームのサービスをTISが2025年12月18日に開始した。活魚や鮮魚、水産加工品を対象にマッチングから受発注、精算までを処理する。仕入れ業者のコスト低減や水産業者の取引先拡大につなげられるとする。2025年12月29日に発表した。

 TISが提供する「トトスマ」は、水産業者が扱う活魚や鮮魚、水産加工品を対象にした流通プラットフォームのサービス(図1)。出荷者、発注者、輸送者のマッチングを図り、受発注から精算までを実行・管理する。中間流通業者を介さないことで発注者は仕入コストを最大50%削減できるとしている。全国の事業者と取り引きできるため販路が拡大し、プラットフォーム利用者のいずれもの収益の向上が期待できるという。

図1:BtoB型流通プラットフォーム「トトスマ」は出荷者、発注者、輸送者の直接取引を支援する

 トトスマの利用者は専用アプリケーションを使って商品を出品したり検索したりする。出荷業者と発注業者、および輸送業者のマッチングを図り、見積書や請求書などを自動生成する。取引先とはチャット機能を使って連絡できる。スケジュール機能を持ち、業務可能な時間帯にのみ取り引き業務ができるよう設定できる。

 最適な配送ルートを計算する機能を持ち、発注業者が負担する輸送会社1社当たりの輸送費を約60%削減できると見込んでいる(図2)。2026年度中には、複数の出荷業者と複数の発注業者間での活魚の混載輸送を可能にする機能を追加する予定だ。水槽ごとの活魚の積荷要領を独自のアルゴリズムで自動生成し、対象業者のニーズをマッチングする。

図2:ルート計画機能では最適な配送ルートを計算する。2026年度には、活魚の積荷要領を自動で生成する機能を搭載予定

 トトスマは、三重県の漁村に生まれ地元で活魚仲卸業を兼業するTISの社員が企画した。水産業の流通構造をIT技術で自動化することで新たな収益源の確保と販路拡大につなげられるとして社内の新規事業提案制度にエントリーし、PoC(Proof of Concept:概念実証)を経て事業化したとしている。

 将来的には、デジタル通貨との連携や、天候を考慮した受発注量の調整による商品のロスト防止、自動運転技術の応用による無人トラック輸送などの機能拡充を進めるという。

 TISによると、水産業では出荷者の販路が特定の数社に限定されることが多く収益拡大に向けた取引先の開拓が難しい。燃料代やエサ代が高騰する中で流通構造の簡素化が課題になっている。

 トトスマの登録料・利用料は無料。活魚・鮮魚・加工品を扱う出荷者・発注者を中心に利用者を増やし、2030年度までに売上高10億円、1000社への導入を目標にする。