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プロセス産業の生産計画を立案・更新するAIシステム、アズビルが発売

ANDG CO., LTD.
2026年1月27日

プロセス産業における生産計画を立案・更新するAI(人工知能)システムをアズビルが2026年1月20日に発売した。製造工程の制約やコスト、リードタイムなどを考慮した生産計画を短時間で立案し、突発的な条件変更にも対応できるとする。同日に発表した。

 アズビルの「AI最適生産計画立案システム VIRTUAL PLANNER PP(VP PP)」は、プロセス産業の生産計画を立案・更新するAI(人工知能)システム。機能性化学品やファインケミカル、医薬品、化粧品、食品・飲料などの工場を主な対象に、種々の制約条件を加味した生産計画を短時間で立案するほか、突発的な条件変更にも即応できる体制を構築できるとする。2026年1月20日に発売した。

 計画立案では、製品の生産量や納期などを入力すると、工程順序や段取り条件、設備能力、在庫など製造現場に固有の制約条件を加味した生産計画を作成する。計画の評価軸としてコストやリードタイム、エネルギー消費量などが設定でき、複数の指標のバランスを考慮した計画案を提示できるとしている。

 計画担当者は、ブラウザーを使ってVP PPにアクセスし、新規計画の作成や計画の見直しを指示する。作成した生産計画は、ガントチャート形式で表示したり、在庫推移を可視化したりできる。

 生産開始後の計画変更にも対応する。例えば、飛び込みのオーダー追加や設備故障、品質トラブルといった事象が発生した際も、条件を反映した生産計画を自動で組み替える。

 導入効果として既に、生産計画の立案時間を95%短縮した事例や、素材メーカーにおける原料ロスの10%削減、化学メーカーでの段取り作業の75%削減といったケースがあるという。計画立案業務の属人化の解消、立案担当者の心理的負担の軽減、人手不足への対応といった定性的な効果も確認したとする。

 計画立案の中核技術としては強化学習アルゴリズムを採用している。過去の生産実績やオーダー情報を学習データに、制約条件や評価関数を設定した上で、生産計画の割り当てを繰り返し評価する。評価結果はフィードバックとして学習に反映させる。この過程ではDNN(Deep Neural Network:深層ニューラルネットワーク)を用いることで評価と改善を早めている。

 アズビルによれば、プロセス産業の製造現場では、製品ごとの条件差が大きく、工程が複雑化しやすい。最近は資源やエネルギーのコスト上昇や、人材不足、納期遵守への要請が重なり、生産計画の安定と柔軟性の両立が求められている。