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複数のAIエージェントが対立議論により意思決定の質と説明性を高める技術、三菱電機が開発

ANDG CO., LTD.
2026年1月30日

複数のAI(人工知能)エージェント同士が対立した議論をすることで意思決定の質と説明性を高める技術を三菱電機が開発した。単一のAIエージェントでは見落とされがちな論点が生成され、より良い判断を導けるとする。2026年1月20日に発表した。

 三菱電機が開発した「対立議論型マルチAIエージェント」は、複数のAI(人工知能)エージェントに対立する視点で議論させることで、より良い意思決定を導き出すための技術(図1)。単一のAIエージェントによる生成では見落とされがちな本質的な問いを明確にし、それに対する結論を導けるとする。2026年度以降の事業化を視野に社内での実証を進めるという。

図1:「対立議論型マルチAIエージェント」は複数のAIエージェントが対立する立場で議論することで、より本質的な問に答えられるという

 対立議論型マルチAIエージェントでは、利用者が与えたテーマに対する専門家として動作するAIエージェントを複数生成する。各AIエージェントには議論の対立構造を意図的に作り出すことで、異なる立場から議論させテーマを批判的に検討できるようにする。

 議論のプロセスでは、各AIエージェントの主張を「点」で、それぞれの反論・支持関係を「線」で表現したグラフにより、議論全体の構造や論点を可視化する議論の履歴を根拠として明示することで、なぜその結論に至ったのかを説明できるようにする。

 議論のための中核技術として、GAN(Generative Adversarial Network:敵対的生成ネットワーク)の概念を応用した。生成器と識別器の2つのモデルを互いに競い合わせることで学習精度を高め、より良い結論を導出する。

 今後は、経営判断や技術選定、リスク評価といった専門性の高い業務を対象にした「意思決定支援プラットフォーム」として開発し、専門人材の不足が指摘される領域での意思決定の質的向上が図れるようにしたい考えだ。

 三菱電機によると、企業では近年、セキュリティリスクの評価や生産計画の立案など、複数の選択肢から妥協点を探る業務が増えている。いずれも専門性が高く、担当者の経験に依存しやすく、担当者が不在だと判断が困難になったり、合意形成が停滞したりしている。加えてAI技術による判断はブラックボックス化しやすいとの懸念から、経営判断やリスク評価の領域では、AI技術による生成結果の採用には慎重な姿勢が根強い。