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生産設備の故障診断を支援するAIエージェント、日立製作所が発売

DIGITAL X 編集部
2026年2月16日

工場における生産設備の故障診断を支援するAI(人工知能)エージェントを、日立製作所が2026年2月に発売した。設備点検時に発見した故障に対し、その原因と対策を提示する。導入企業の設備図面や保全記録と、日立独自の分析プロセスを学習した生成AIを使うことで、一般的な保全技術者と同等以上の精度で故障を診断できるという。2026年2月3日に発表した。

 日立製作所の「現場サポートAIナビ(Field Support AI Navi)」は、工場の生産設備の点検時に保全員が発見した故障に対し、その原因と対策を提示するAI(人工知能)エージェント。ディスクリート、プロセスの別を問わず、動力設備や制御装置、ポンプ、バルブなどに対応するという。製造業向けサービス群「HMAX Industry」の1ツールとして提供する。これまでに大手製造業で試験運用や共同検証を実施したとしている。

 現場サポートAIナビの利用に向けてはまず、導入する企業の生産設備やユーティリティ設備などの図面を生成AIが読み取れるグラフ構造のナレッジグラフに変換する(図1)。同グラフと保全記録などのOT(Operational Technology:制御・運用技術)データと、日立が開発した設備故障原因分析プロセス「OTスキル」を生成AIに学習させてから現場に提供する。

図1:「現場サポートAIナビ(Field Support AI Navi)」の導入ステップ

 OTスキルは、新規故障や要素間の相互作用による故障の原因を分析するSTAMP(System Theoretic Accident Model and Processes:システム理論に基づく事故モデル)に基づいており、前例のない新規の事象にも対応できるとしている。将来的には、現場のデータをリアルタイムで収集・分析し、運用に組み込むフィジカルAIの構築につなげたい考えだ。

 日立によると、製造業では、生産年齢人口が減少する一方で、生産拠点のグローバル化や拡大で技術者の必要数が増加している。労働力不足が深刻化する中、技能の伝承や製造現場で働くスタッフの負荷軽減と生産性向上が課題になっている。

 現場サポートAIナビは、利用形態に合わせた形態で提供する。既存システムをベースに機能強化したい場合のAPI(Application Programming Interface)サービスや、導入期間を短縮したい場合のパッケージシステムなどである。