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安全保障貿易管理における審査業務を支援するAIエージェント、日立ソリューションズが発売

上田 羽純(DIGITAL X 編集部)
2026年4月24日

安全保障貿易管理における顧客審査と該非判定の両審査業務を支援するAI(人工知能)エージェントを日立ソリューションズが2026年4月16日に発売した。同社が提供する「安全保障貿易管理ソリューション」に追加する形で提供する。審査業務の効率を高め、属人化を排除できるという。2026年4月15日に発表した。

 日立ソリューションズは輸出管理業務のための「安全保障貿易管理ソリューション」において、審査業務を支援するAI(人工知能)エージェントを2026年4月16日に発売した。顧客審査や該非判定に必要な情報を、公開情報と、調査結果や輸出実績など企業が持つ情報から収集・照合し、判断結果と根拠をレポートにして提供する。担当者は情報の収集・整理にかかる時間を短縮しながら、事実に基づく、より的確な判断が下せるようになるという。

図1:「安全保障貿易管理ソリューション」に追加したAIエージェントは、顧客審査と該非判定の業務を支援する

 顧客審査のためのAIエージェントは、営業や調達、事業部門、海外拠点など取り引きに関わる部門が収集した取引先の事業内容や資本関係などを対象に、貿易コンプライアンス上の懸念の有無を確認し、レポートを作成する。

 各部門は、レポートを参照することで審査業務の効率を高められるとする。また輸出管理に当たる法務部門などでは、各部門の審査結果とAIエージェントのレポートを照合することで、妥当性の確認やチェック作業の効率を高められるという。

 該非判定のAIエージェントは、製造・設計部門などが収集した貨物や技術の仕様と最新のリスト規制情報を照合し、判定に必要な項目の不足の有無を確認。判定結果や、その根拠になる法令条文、技術仕様を整理したレポートを作成する。担当者はレポートを元に該非を判定する。属人化しやすい該非判定の業務の効率を高めるとともに判断品質の平準化が可能になるとしている。

 AIエージェントは、米国のグループ会社が、欧米やアジア、アフリカの顧客に対し年間約2000件のスクリーニングで得たノウハウを元に開発した。同AIエージェントは、2025年にグループ全体で開催したAIエージェントや生成AI技術の業務への適用事例などを対象にしたコンテストで、審査時間を約60%短縮した点などが評価され社長特別賞を受賞したという。

 日立ソリューションズによれば、国際情勢の変化を背景に各国が輸出管理規制を強化しており、民生品や先端技術の軍事転用を防ぐ安全保障貿易管理の重要性が高まっている。日本でも外為法関連の政省令が相次いで見直される中、企業では安全保障貿易管理業務の複雑化や業務負荷の増大、専門知識を持つ人材の不足が課題になっている。