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複数のナレッジを基に生成AIが回答するコンタクトセンター向けチャットボット、モビルスが開始

DIGITAL X 編集部
2026年6月5日

コンタクトセンターでの問い合わせに生成AI(人工知能)技術を使い回答するチャットボットを、モビルスが2026年5月26日に開始した。RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を使ってFAQ(よくある質問と答)など複数のナレッジを参照しながら利用者の質問に答える。顧客の自己解決率向上や、オペレーターの応対業務の負荷軽減につなげる。同日に発表した。

 コンタクトセンター向けシステムの開発を手掛けるモビルスの「MOBI BOT RAG Answer Management」は、顧客の問い合わせに対して生成AI(人工知能)技術を使い回答するチャットボット(図1)。顧客の自己解決率の向上やオペレーターの応対業務の負荷軽減につなげられるという。同社のチャットボットサービス「MOBI BOT」の機能の1つとして2026年5月26日に提供開始した。

図1:モビルスの「MOBI BOT RAG Answer Management」では、FAQ(よくある質問と答)など複数資料をRAG(検索拡張生成)で参照して直接的な回答を生成する

 MOBI BOT RAG Answer Managementでは、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術により、FAQ(よくある質問と答)などで蓄積された複数のナレッジを横断的に参照したうえで、質問内容に応じた回答文を生成する。利用者は複数の候補から回答を探す手間を減らせるという。

 回答精度を高めるための運用機能として(1)ハルシネーション対策、(2)プロンプト編集、(3)チューニングなどの機能を搭載する。

 ハルシネーション対策では、回答の根拠となるナレッジが存在しない場合、生成AI技術による回答を採用せず、あらかじめ設定した案内メッセージを表示する。質問に対して明確な回答候補を提示できない場合には、管理者が指定したナレッジをAI技術が提示する「選出モード」を利用できる。

 プロンプト編集では、モビルスが提供するプロンプトを管理画面上で編集し、自社の運用方針に合わせて調整できる。併せてバージョン管理機能も備え、運用中のプロンプトの変更履歴を管理する。

 チューニングでは、利用者との対話履歴を分析し、回答精度の改善につなげる。具体的には利用者が自己解決に至らなかった要因を把握してナレッジや回答内容を見直し、応対品質の継続的な改善サイクル構築を支援する。

 MOBI BOT RAG Answer Managementでは今後、Webサイト上の情報を参照対象とする機能拡充を予定する。MOBI BOTでは、1回の問い合わせに対して複数の生成AI処理を連携させることで、より自律的に応答する仕組みを実装する。また、企業独自の業務ルールやポリシーに基づいて応答内容を制御する「カスタムガードレール」の提供も計画している。

 従来の機械学習型チャットボットは、利用者の質問に対して関連性の高い複数のQ&Aを候補として提示する方式が中心だった。そのため、利用者は提示された候補の中から必要な情報を探し出す必要があった。

 モビルスによれば、コンタクトセンター業界では少子高齢化や労働力不足の影響で、人材の採用難や育成の遅れが生じている。一方で、顧客ニーズの多様化によって問い合わせ内容が複雑化し、応対品質の維持・向上が求められている。限られた人員で対応する手段として、生成AI技術を使う応対支援や顧客対応の自動化に対する開発への関心が高まっている。