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Webサイトの操作状況に合わせてAIエージェントが応答する機能など、行動データ管理の米Pendo.ioが発表

上田 羽純(DIGITAL X 編集部)
2026年8月21日

Webサイトなどの利用者の利用状況に合わせてAI(人工知能)エージェントが応答できるようにする連携機能などの発売を、利用者の行動データ管理基盤を提供する米Pendo.ioの日本法人が2026年7月23日に世界に先行して発表した。顧客の離脱を防いだり、社内システムの使い勝手を高めたりするAIエージェントが利用可能になるという。

 「AI(人工知能)エージェントをより賢く運用するためには、データや文脈(コンテキスト)をAIエージェントに常に共有し、現状を認識した動作ができなければならない。データや文脈といった情報とAIエージェントの間には、まだ隔たりがある」--。Webサイトの操作状況など行動データの管理基盤を提供する米Pendo.io 共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のトッド・オルソン(Todd Olson)氏は、AIエージェントの現状を、こう説明する(写真1)。

写真1:米Pendo.io 共同創業者兼CEOのトッド・オルソン(Todd Olson)氏

AIエージェントによる操作案内や離脱防止を可能に

 行動データ管理基盤の「Pendo」は、Webサイトやアプリケーションなどにおける利用者の操作ログなど行動データを収集・蓄積している。今回、この行動データを利用してAIエージェントを動作させるための連携機能「Pendo Agent Toolkit」を発表した。

 Pendo Agent Toolkitは、Pendoが持つ行動データをMCP(Model Context Protocol)経由でAIエージェントに提供するための機能(図1)。利用者の操作上のつまずきや利用状況変化などをAIエージェントにリアルタイムに通知することで、利用状況に沿った操作方法の案内や、離脱を防ぐための支援、解約リスクの早期検知と担当部門への通知、アップセル機会の営業部門への引き継ぎ、利用者のフィードバックの収集などが可能になるという。

図1:Pendo Agent Toolkitがユーザー行動データをAIエージェントへ渡し、適した行動につなげる

 行動データからは、利用者が短時間に同じ場所を何度もクリックする「レイジクリック」や、反応しない場所をクリックする「デッドクリック」、画面を行き来する「Uターン行動」、途中離脱などが判定できる。これをAIエージェントに伝えることで、状況に合った動作をさせる。利用者が入力したプロンプトやAIエージェントの挙動も記録・分析する。

 例えば、旅行予約サイトで利用者が迷っていることを検知すれば、AIエージェントが適切なガイドを生成して表示したり、予約を完了せずに離脱した利用者に「何かお手伝いできますか」などとチャット形式で呼び掛ける。

 Pendo Agent Toolkitは既に利用が始まっている。東急コミュニティーが、その1社。同社は、米Boxが提供するAI機能「Box AI」を全社導入しているが、従業員の利用実態やプロンプトをPendo Agent Toolkitで収集・分析している。社内でどのように使われ、どんな成果を上げているかを評価するためだ。

 分析結果からは「活用事例集」や、効果が出にくい使い方を「NGプロンプト事例」としてAI技術で生成し、社内教材として使用している。同社 経営戦略統括部グループIT推進部ITインフラ企画課主幹の柏崎 正彦 氏は「従業員が適切にBox AIを扱えるよう、最小限のコストで迅速に支援できるようになった。社内のAI技術定着を後押しする基盤になっている」とする。

 また米チケット販売大手のTicketmasterは、自社サービス上での利用者とAIエージェントのやり取りを分析することで、AIエージェントを改良している。AIエージェントから適切な応答を得られず利用者が、いら立つケースをを53%減らせたという。教育プラットフォームを提供する米Teachableは、カスタマーサポート用のAIエージェントに適用し、会話の86%を無人で解決しながら顧客体験評価を5点満点中の4点を維持しているとする。

プログラムの“自己治癒型”の開発を支援

 Webサイトなどのプログラムの改善を支援するAIエージェント「Novus」と、Pendoのデータを分析するためのAIエージェント「Leo」も発表した。

 Novusは、行動データと、開発中のプログラムのソースコード、変更履歴を監視し、プログラムの修正・改善を支援する(図2)。「GitHub」などのソースコードリポジトリと直接連携し、ソースコードの変更を継続的に監視する。変更を検知すると、変更する必要があるコードや設定を探して更新。行動データを基にプログラムの改善点を分析し、修正内容を提案する。開発者が指示すればソースコードの修正も可能だ。

図2:Novusがソースコードを監視し、コミュニケーションツールやAIエージェントなどと連携して修正を支援する

 オルソン氏はNovusを「ソフトウェア自身が状況を把握して改善点を見つけ修正していく“自己治癒型”の開発を支援する製品だ」と説明する。「月1回程度のリリースを前提にする既存の開発ツールでは、今の市場の変化に追い付けない。Novusにより開発スピードはAIコーディング以前の4倍ほどに速くなっている。3カ月かかっていたプロジェクトが4時間でできてしまうこともある」(同)という。

 一方のLeoは、Pendoが持つ行動データを自然言語で分析するためのAIエージェントである。チャット形式で「なぜ今、売上が上がっているのか」などと自然言語で質問すれば、データを分析し、表やグラフなどの形で表示する。複雑なデータの扱いに慣れていないビジネス部門のスタッフでも施策につながる知見を得られるとしている。