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在庫最適化やサプライヤー審査を自動化するSCM向けAIエージェント機能、日本オラクルが発表

齋藤 公二
2026年8月27日

「データを読む」段階から「業務を実行」する段階へ

 日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 事業戦略推進本部 AI実践エンジニアリング部 Fusion AI Evangelistの小野 俊隆 氏は「AI活用は『AI技術が企業データを読む段階』から『企業の権限の枠組みで業務を実行する段階』へと進展している」と指摘する(写真2)。

写真2:日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 事業戦略推進本部 AI実践エンジニアリング部 Fusion AI Evangelistの小野 俊隆 氏

 その進展には、大きく5つのステップがあるという。

ステップ1 :生成AI技術による問い合わせから、AIエージェントによる実行へと役割が進化すること
ステップ2 : AIエージェント開発の民主化が進んむこと
ステップ3 :使い慣れた開発ツールを使ってアプリを構築するプロコード開発が広がること
ステップ4 :厳格な統制と信頼性を担保する企業ガバナンスが重要にねること
ステップ5 :確実な導入のためにテストと安全な接続が求められるようになること

 あくまでもAIエージェントは、企業の権限・承認の枠組みの中で業務を実行する。その中では「どう統制していくかが重要になっている」と小野氏は強調する。エンタープライズAIにとっては「開発の民主化を進めるスピード感と、企業としてガバナンスを効かせていく統制や説明責任は新たなジレンマ」(同)であり、どう両立させるかが大きなポイントになる。

 企業ガバナンスの面でAI Agent Studioは、セキュリティ、レジリエンス、テスト・品質保証、コスト管理、ライセンス管理、運用といった要件をカバーする機能を備えている。

 特にAIエージェント管理で重要になる点として、小野氏は「ポリシーモデルと同一の入力に対する決定論的制御、ポリシーロジックの分離、悪意のあるプロンプト(指示文)を紛れ込ませるインジェクション対策、敵対的プロンプトの遮断、不正アクセスの防止、トランザクション保護などがある」とした。

 このほか、AIエージェントが権限を継承したうえで企業システムに正しくアクセスする仕組みや、誰が、いつ、何を操作したかの監査証跡を取得して透明性を確保する仕組みも提供する。小野氏は「開発の民主化がもたらすのは企業統制の再設計だ。AI技術に仕事を任せながら、その行動をどこまで統制し、説明できるかが重要になる」と強調する。

専任組織が導入を伴走支援

 日本オラクルでは、AI技術による業務変革を支援する専任組織として「Applied AI Engineering(AI実践エンジニアリング部)」を設立してもいる。具体的な取り組みとしては「AI EXPERIENCEプログラム」の提供と、オラクル製品のユーザー会である「日本OATUG(Oracle Applications Users Group)」でのAIコミュニティの推進だ。

 AI EXPERIENCEプログラムでは、Fusion Cloud標準の組み込み型AIエージェントなどをワークショップ形式で学んだり、現状の課題を分析しAI技術にまかせるタスクと人が担う判断を整理したりする。実際のプロトタイプ開発から、本番環境への実装に向けた運用体制の協議までを伴走型で支援するとしている。