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在庫最適化やサプライヤー審査を自動化するSCM向けAIエージェント機能、日本オラクルが発表
SaaS(Software as a Service)で提供する業務アプリケーションの標準機能であるエージェント型アプリケーションで、SCM向け(Supply Chain Management)領域での新たなAI(人工知能)エージェントの4機能を日本オラクルが発表した。在庫不足の低減やサプライヤー資格審査の効率化などを支援するという。2026年7月30日の記者説明会で発表した。企業やユーザーが独自にAIエージェントを開発できる基盤の考え方も併せて解説した。
エージェント型アプリケーションで実業務を支援
米オラクルの「Oracle Fusion Cloud Applications(以下、Fusion Cloud)」は、営業、購買、会計、人事といった領域をカバーする業務アプリケーション。同社日本法人(日本オラクル)は、このFusion Cloud上に標準機能として備えるAI(人工知能)エージェント「Oracle Fusion Agentic Applications(Agentic Applications)」のSCM(Supply Chain Management)領域に、新たな4つの機能を発表した。
今回新たに追加した4つの機能は、以下のとおり。
機能1=「Inventory Planning Command Center」 :在庫不足・欠品を減らし供給水準を向上する
機能2=「Production Readiness Workspace」 :設定ミスを減らし、優先度の高い修正から対応することで生産開始までの準備を迅速にする
機能3=「Supplier Qualification Workspace」 :サプライヤーリスクを減らしコンプライアンス強化とともに資格審査の判断を迅速にする
機能4=「Kanban Administration Workspace」 :在庫不足と過剰在庫の双方を減らし、生産の流れを改善することで、安定した生産を継続する
すでにERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)/SCM、HCM(Human Capital Management:人的資本管理)、CX(Customer Experience:顧客体験)領域では、22のAgent Applicationsを、2026年4月14日にリリース済みだった。Agent Applicationsでは、専門分野に特化した複数のAIエージェントが連携する。
統合アーキテクチャーを強みに意思決定を支援する
Agentic Applicationsが目指す姿について、米オラクル日本法人理事 クラウド・アプリケーション事業統括 事業戦略推進本部 AI実践エンジニアリング部 本部長の中山 耕一郎 氏は「問い合わせに答えるアシスタントやアドバイザーではなく、複数の業務領域を横断しながら、設定した業務の目標や目的に沿って自律的にタスクを遂行する『経営意思決定支援ワークスペース』を志向している」と説明する(写真1)。
その本質は「業務のタスクをアシストし、アドバイスするようなAI技術や、一部の業務を自動化するようなAIエージェントではない」(中山氏)とする。オラクル自身が「エージェント型アプリケーション」と呼ぶもので、営業における収益最大化やマーケティングにおけるアウェアネス(気付き)など「業務やオペレーションの目標にしたがった業務そのものを自動化し、業務の目標の精度を出していく」(同)ことに目的を置く。
エージェント型アプリケーションは、複数のベンダーが提供している。中山氏はAgentic Applicationsの強みとして「Fusion Cloudの元で統合・統一されたアーキテクチャーを持つこと」を挙げる(図1)。
Fusion Cloudでは、業務領域のデータが一元的に統合され、1つの基盤、データベース、データモデルで構成されている。「この統合・統一されたアーキテクチャーがあるからこそ、AI技術が業務を横断するようなユースケースが実現する」と中山氏は強調する。
Fusion Cloudにおいて中山氏は「生成AI技術やデータ活用に加え、特定業務を代理・実行するAIエージェントと、さらに、高度なエージェント型アプリケーション(Agentic Applications)を組み合わせることができる」と述べる。こうした組み合わせで「当社が目指す自律型企業(Autonomous Enterprise)の実現に近づいていく」(同)とする。
開発の民主化と企業としての統制の両立が必要
Fusion Cloudには、企業やユーザーが独自にAI技術を開発する基盤「Oracle AI Agent Studio(AI Agent Studio)」を備えている。
AI Agent Studioは、ビジネス向けユーザーに提供される「Agentic App Builder」と、デペロッパー向けに提供される「AI Studio Skill」で構成される。前者はビジネスユーザーがノーコードでアプリを開発する仕組みで、後者はデベロッパーがスキルを開発して組織的に管理する仕組みとなる。
例えばビジネス部門のユーザーは、アプリ開発におけるアイデアの整理からワークフローの構築、テスト、リリースまでを自然言語を使ったノーコードの操作で進める。一方のデペロッパーは、IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)などの使い慣れたツールを使い、プロコードによって、定義、構築、追加、テスト、デプロイといったライフサイクル全体を管理する。
具体的にはコードエディター「Visual Studio Code」(米Microsoft製)や、Oracleの各種サービスを操作する標準のコマンドライン・インターフェース(CLI)などに加え「OpenAI Codex」(米OpenAI製)や「Claude Code」(米Anthropic製)といったAIコーディングエージェントも利用できる。

