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エージェント型AIプロジェクトは2027年末までに4割が中止、ガートナーが説く回避策
「2027年末までにエージェント型AI(人工知能)プロジェクトの40%以上が中止される」--。ガートナージャパンのディレクター 兼 アナリストの林 宏典 氏は、同社主催の「デジタル・ワークプレース サミット2026」(2026年8月26日)で、こう指摘する。その理由として(1)コストの高騰、(2)ビジネス価値の不明確さ、(3)不十分なリスクコントロールの3つを挙げる。
「デジタル・ワークプレース サミット2026」(ガートナージャパン、2026年8月26日)でのガートナージャパンのディレクター 兼 アナリストの林 宏典 氏の講演テーマは「多様なAIエージェント・サービスをどう選び、どう活用するか」だった(写真1)。このタイトルにこそ「2027年末までにエージェント型AI(人工知能)プロジェクトの40%以上が中止される」理由が隠されている。
AIエージェント関連サービスは「LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の進化やエージェント機能の高度化が加速し、複数タイプのAIエージェントを備える多様化が進んでいる」(林氏)。結果、汎用チャットボットやAI組み込みアプリケーション、ノーコードでのエージェントビルダーなどが生まれ「利用企業の選択を難しくしている」(同)
そのため、対象ユーザーやサポート体制などを考慮した選定が必要になる。設定に対しガートナーは(1)サービスの機能性、(2)既存環境との親和性、(3)拡張性、(4)セキュリティとガバナンス、(5)サポート体制の5項目での評価が必要だとする。
そのうえで特性とリスクに応じて活用方針を立てる(図1)。ただし「使用料が従来の固定課金から従量課金へ移行しつつあるため想定外のコスト高に注意を払う必要がある」と林氏は指摘する。コストが想定以上に膨らめばROI(投資対効果)を失うからだ。
ガートナーの調べによると、日本企業は「Microsoft 365 Copilot」や「ChatGPT Enterprise」「Gemini」「Claude」などを全社標準ツールとして導入している。全社標準AIツールを決めても現場部門からは「業務に特化した最新のAIツールを使いたい」という要求が上がってくる。
調査でも75%の企業が「現場のニーズに特化したAIツールを導入」している。だが現場任せにしていると、シャドーAIの恐れがある。AI関連予算は「利用部門自身が負担する受益者負担にする」(林氏)などの対策も必要だ。
そこに業務を丸ごと代替しようとしているAIエージェント機能が加わっている。現場では「エンジンとアクセルばかりが進化し、安全に運転するためのステアリングやブレーキの開発が追いつかない状態にある」と林氏はみる。結果「プロンプトの指示をすり抜けたり、解釈を誤ったり、外部からハッキングされたりといったリスクに晒されている」(同)ことになる。
コストの二重払いやセキュリティ漏れを避けるうえでも、DX/IT部門はユーザーがAIツールを活用できるだけの教育や推進担当者をサポートする必要もある。定期的にAIツールを棚卸ししライセンスを解約したり、危険な機能が追加されていないかチェックしたりもする。
こうした状況を回避するために林氏は「AIエージェントの活用に条件を設けるべきだ」と主張する。「AIエージェントの管理・制御が未成熟だから」(同)でもある。
具体的な条件としては(1)高コスト・高付加価値な業務への適用など確実なリターンが見込めること、(2)誤動作時のリスクを許容・把握できること、(3)本番環境から隔離された安全な環境(サンドボックス環境)での活用とデータのバックアップを確保することの3点を挙げる。

