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工場シミュレーションモデルを現実に近い映像で表示するビューワー、フィンランドVisual Componentsが提供開始

ANDG CO., LTD.
2026年10月9日

3Dシミュレーションソフトウェア上で工場のシミュレーションモデルをフォトリアルに描き出すビューワーを、製造業向けソフトウェアを手掛けるフィンランドのVisual Componentsが2026年9月28日(フィンランド時間)に提供を始めた。既存のモデルを作り直さずに、工場や倉庫の設備導入を計画するユーザーがレイアウト検討できるとする。同日に発表した。

 製造業向けソフトウェアを手掛けるフィンランドVisual Components(ビジュアル・コンポーネンツ)は、3D(3次元)シミュレーションソフトウェア「Visual Components」を提供している。このほど、工場レイアウトをリアルタイムかつ高精細に描画するためのビューワー「FactoryLens」を組み込み、2026年9月28日(フィンランド時間)に提供開始した。工場や倉庫の設備導入を計画するユーザーがシミュレーションモデルをそのまま使いながら、より現実に近いデジタルツイン上で工場レイアウトを確認できるとする。

 FactoryLensは、Visual Componentsで組み上げたシミュレーション環境をフォトリアルな映像で描画する(図1)。大規模なレイアウトもリアルタイムに表示し、全体を画面上で確かめながら材質や外観を調整したり、高品質な動画を作成したりする作業にも対応するという。

図1:「FactoryLens」ではシミュレーションモデル(左)をフォトリアルに再現する

 表示に使うのは既存のシミュレーションモデルそのもので、別の可視化ソフトウェアで工場モデルを作り直す工程を要さない。Visual Componentsでは、ロボット、機械、コンベヤー、AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行ロボット)、フォークリフトといった生産設備で4000点以上のコンポーネントライブラリを備えており、これらを組み合わせて構築した工場や倉庫のシミュレーションモデルを利用する。

 構築したシミュレーションモデルは、3Dデータの記述形式「OpenUSD」で書き出せる。書き出しの操作はVisual Components上で完結し、出力したデータはOpenUSDに対応する外部の3D環境に持ち込んで活用可能だとする。

 FactoryLensの開発では、米NVIDIAのデジタルツイン開発基盤「Omniverse」と、描画や物理演算の機能を他社のソフトウェアへ組み込むための部品群「Omniverseライブラリ」を用いた。ほかにも、描画をフォトリアルにするためにレンダリング技術「NVIDIA RTX」を採用しているほか、物理挙動の再現には物理演算エンジン「NVIDIA PhysX」を使う。

 Visual Components 事業開発ディレクターのムスタファ・カマル(Mustafa Kamal)氏は「NVIDIAの技術を組み込むことで、シミュレーション環境における物理的な正確性と再現性を高めている」とする。今後はNVIDIAとの協業を広げ、NVIDIAのオープンなライブラリとフレームワークを採用し、OpenUSD環境における協働やデータ交換、相互運用性、バージョン管理、コラボレーションなどを支える基盤づくりを進める。

 Visual Componentsによると製造業では、設備やプロセスを実際に導入する前に、それらが期待通りに稼働するかをシミュレーションで設計・検証し、必要に応じて設計を見直す取り組みが一般的になっている。その有効性を左右する点として、現実をどこまで忠実に再現しているかが求められるとする。