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フィジカルAIによる産業再生へ向け産官学の結集を、GMOグループの熊谷会長が呼びかけ
「第4回GMO大会議・秋・フィジカルAI 2026」より
一方で、工場や物流システムへ広がるサイバー攻撃のリスクに触れ「防御側にもAI技術を活用する『AI対AIの攻防』が重要だ。国際的なガードレールの機能強化が必要だ」ともした。フィジカルAIの実装には、高度なAIモデルの安全性と技術主権の確保が前提になるわけだ。
日本の危機感に、AIモデル開発で先行する米Anthropic日本法人の東條 英俊 代表執行役社長は、同社の「人間中心のAI」という理念を紹介した上で「GMOグループのサイバー攻撃対策サービスへの組み込みやフィジカルAI分野での連携を通じ、安全で信頼できるAI社会の実現に貢献したい」とする(写真4)。会場では、最先端モデルやハードウェアとAIシステムを結ぶ新規格「MHS(Model Hardware Standard)」を説明した。
医療や水中などフィジカルAIの活用範囲は広い
またデジタル大臣の松本尚氏は、自動運転の海外展開推進と並び「AI × 医療」を重点施策に掲げる。「“神の手”を持つ日本人外科医の高度な技術やデータを国産AIモデルに学習させ、手術ロボットなど世界で需要のある国産医療AI産業を育成すべきだ。信頼性の担保には国産データとAI技術によるソブリンティ(技術主権)が不可欠になる」(同)と主張する。
学術界から登壇した藤井 輝夫 東京大学総長は、自身の水中ロボット研究の歴史を振り返りつつ、2024年に設立し、特別顧問を務めるAIロボット協会(AIRoA)の試みを説明。「日本の製造業と連携してデータ集めと汎用的な基盤モデルのオープン化を進め、グローバルに展開していくことが重要だ」と訴えた。
東京大学は2027年秋には新カレッジ「UTokyo College of Design」を開設する。「新しい社会を描き、それを実現するための仕組みやルールまで含めて構想できる人材を育て、フィジカルAIの社会実装に貢献したい」(藤井氏)とする。
各氏の主張をまとめれば、フィジカルAIは日本経済の構造転換を左右するマクロ的インフラになる可能性がある。EV(Electric Vehicle)シフトによる部品数削減に直面する自動車部品メーカーなどが、フィジカルAIの製造に転換できれば、空洞化を回避し高付加価値産業への転換が図れるかもしれない。
