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サイバーセキュリティ対策の根幹は高度な知見を持つ人材、AIや光通信は革新を起こせるか
「Executive Forum 2023 Autumn」のパネルディスカッションから
IOWNでは遅延レスに加えデータの秘匿性も確保
川添 :ただ現在のAI技術の限界は「自分が出した答えを否定できない」ことです。NTTは今、光ベースの高速ネットワーク技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の開発・実装に取り組んでいます。IOWNは、通信トラフィックの肥大化といった課題の解消だけでなく、遅延レスのネットワーク構築を可能にします。遅延レスの大きなプラットフォーム上にAIを分散化することで、人間が作ってきた民主的な営みをAIの場でも作っていきたいと考えています。
光ベースの通信はデータの秘匿性にも利点があります。光の波長を使うという特性上、アルゴリズムを1つに限定する必要がありません。光のどの波長を用いているかも判別できないため、「どこに情報があるのか」を分からない状態にもできます。つまり情報が到達する以前の状態からデータを保護できるため、従来とは全く異なるサイバーセキュリティを物理的なレベルで展開できるのです(図2)。
ハソン :AI時代のサイバーセキュリティでは、例えばコンテンツ分野にも通じているなど、AI技術以外の専門性を有する人材も必要になってきます。
川添 :“良い“AIを味方として作っていくことが重要になってきますね。その点でCYBERGYMが持つノウハウは大きい。最終的に人間がセキュリティホールになってしまわないようにするためにもトレーニングが必要です。
石原 :AI技術そのものだけでなく、アルゴリズムを守っていくことも今後は重要になっていくはずです。生成AIなどの技術の進化を追い風に、これからのサイバーセキュリティに取り組みたいですね。