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独DHL、サプライチェーンに発生する障害の予測に向けデータ分析ツールを導入
2017年10月3日
ドイツの物流大手であるDHLは2017年9月、顧客が利用するサプライチェーンに発生し得る各種リスクを予測するために新たなツールを開発し導入した。障害が起こる前に対策を打ち、事業への影響を最小化する。サプライチェーンのリスク監視システム「DHLレジリエンス360」のサービス強化の一環。
導入したのは「レジリエンス360アナリティクス」というデータ分析ツール。DHLが蓄積してきたサプライチェーンに関するデータと、市場で入手できるリスクデータベースのデータを組み合わせることで、「リスク影響度指数(Risk Exposure Index)」というDHL独自の指標を30種以上算出。それを顧客企業が持つサプライチェーンや事業に関するデータに適用し統計解析処理することで、サプライチェーンに将来起こり得る障害を予測する。
DHLは顧客企業に対し、サプライチェーンの稼働状況を可視化するためのシステムとしてレジリエンス360を構築し提供している。レジリエンス360の管理画面からは、世界地図上に物流拠点や輸送ルートを表示し、サプライチェーンの稼働状況を確認できる。障害が発生を検知すれば、管理画面に発生地点を表示する(図1)。
今回のレジリエンス360アナリティクスの追加により、障害が起こりそうな部分を事前に予測することで、事前の改修や別ルートの確保などの対策が打てることになる。
今後は、ドイツポストDHLグループのデータ・サイエンス・チームと協力して、レジリエンス360アナリティクスの機能強化を図る。代替ルートの提案や、貨物遅延を予測する機能などの追加を検討しているという。
企業/組織名 | 独DHL |
業種 | 物流 |
地域 | ドイツ、全世界 |
課題 | 物流網に障害が発生した際の対応が後追いになっていた |
解決の仕組み | 顧客の物流網や事業に悪影響を与える可能性を示すデータなどを分析することで、物流網に発生し得る障害を予測する。DHL独自の「リスク影響度指数」を開発した |
推進母体/体制 | 独DHL |
活用しているデータ | 顧客のサプライチェンや事業に関して蓄積してきたデータ、市場にある総合的なリスクデータベース |
採用している製品/サービス/技術 | 自社開発した「レジリエンス360アナリティクス」 |
稼働時期 | 2017年9月〜 |