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英World Sailing、愛知県蒲郡でのヨットレースにIoT技術を使ってレース関連情報を観戦者に提供

DIGITAL X 編集部
2017年10月26日

ヨットレースを主催する英World Sailingは、愛知県蒲郡市で2017年10月15日~22日に開催した「セーリングワールドカップ愛知・蒲郡大会」で、IoT技術を使ってレースに関する様々な情報を観戦者に提供した。システム構築を担当したSAPジャパンが2017年10月20日に発表した。

 ヨットレースでは、広い海域で複数の競技艇が航行する。ワールドカップには10種目があり毎日25以上のレースを開催する。多くの観戦者に訪れてほしいものの、競技中はレースの一部シーンにしか注目できず、レースの全容を把握するのが難しい。

 愛知県・蒲郡大会で主催者の英World Sailingは、出場艇のすべてに追跡装置を搭載。同時に風センサーをレース海域全体をカバーするように分散配置した。これら追跡装置と風センサーからのデータを無線通信で集め、そのデータを観戦者らが持つPCやスマートフォンから確認できる
ようにした。

 進行中のレースの状況と、データの分析結果に加え、レース結果など種々のレース関連情報も提供した(図1)。出場選手たちに対しても、レース海域の風速や風向きなどのレースコンディションを伝えた。

図1:データを表示する画面の例

 レース海域のデータの収集から分析、視覚化などにおいては、独SAPが開発したソフトウェア「SAP Sailing Analytics」を採用した。SAPは2017年からWorld Salingの公式テクノロジーパートナーになっている。今回の取り組みは、その延長線上にあるものだと言える。

 蒲郡大会は日本で初めて開催されたワールドカップシリーズ。2018年以降は、会場を神奈川県藤沢市の江ノ島に移し開催する予定である。SAPジャパンは2018年以降の日本開催大会でも、IoT技術によって大会運営を支援する意向である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名英World Sailing
業種サービス
地域愛知県蒲郡市
課題セーリングレースに関係するさまざまな情報を観戦者に提供できなかった
解決の仕組み出場艇のすべてに追跡装置を搭載。レース海域全体には風センサーを設置した。それらから収集した情報をSAPのソフトウェアで表示する
推進母体/体制英World Sailing、SAPジャパン
活用しているデータ出場艇に搭載した追跡装置のデータ、風センサーのデータ
採用している製品/サービス/技術「SAP Sailing Analytics」(独SAP)
稼働時期2017年10月15日~22日