• UseCase
  • 通信

NTTデータ、IoT技術でデータセンターの運用コスト削減に向け実証実験を開始

DIGITAL X 編集部
2017年10月27日

NTTデータは建設中の新データセンターにおいて、IoT技術を使ってデータセンターの運用コストを下げるための実証実験を開始した。サーバーのプロセサ使用率といったデータと室温などのデータを組み合わせて空調を制御することで、空調費用を削減する。NTTデータが実験に参加するインテル、NTTファシリティーズ、Future Facilitiesとともに2017年10月25日に発表した。

 一般にデータセンターの運用体制では、サーバーやネットワークスイッチなどの情報処理機器と、電源や空調などの設備は独立して管理・運用されてきた。そのため、それぞれを最適に制御してもデータセンター全体としては、の熱溜まり(ホットスポット)の発生や、過冷却によるエネルギーロスといった問題が発生していた。

 今回の実証実験では、独立していた2つの領域を一元的に管理することでデータセンター全体での最適化を図る。具体的には、データセンターの温度センサーだけでなく、サーバーのプロセサ使用率や電力消費量といったデータも収集。そのデータをAI(人工知能)で分析することで、空調機器とサーバーなどの機器の双方を最適に運用できるようにする(図1)。

図1:データセンター内の温度に加え、サーバーなどの機器の消費電力量などのデータも集めてAIで分析することで最適化を図る

 例えば、サーバーなどの機器が発生させた熱による温度上昇を抑えるのに、空調機器を制御するだけでなく、サーバーなどの稼動状態も制御して熱の発生を抑えることで、空調機器の運転負荷を下げる。

 サーバーのプロセサ使用率などのデータは、インテルの「インテル・データセンター・マネージャー」と「インテル・ノード・マネージャー」で取得する。インテル・データセンター・マネージャーと連携した空調機器の制御はNTTファシリティーズの「SmartDASH」が担う。データセンター内で発生している熱の流れを3次元解析するためにFutureFacilitiesの「6sigmaDCX」を利用する。

 実験に参加する各社は今後、空調設備などの領域でもIoT技術を活用した故障予知や、気象情報などのオープンデータを組み合わせた分析により、データセンター全体としての、より最適な制御方法なども検討していく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名NTTデータ
業種通信
地域東京都三鷹市
課題データセンターにおける空調設備の運用コストがかさむ
解決の仕組み温度センサーの測定値だけでなく、個々のサーバーのプロセサ使用率などのデータも集めAI(人工知能)で分析することで、空調機と情報処理機器の双方を制御する
推進母体/体制NTTデータ、インテル、NTTファシリティーズ、Future Facilities
活用しているデータデータセンターの室温、サーバーなどの機器の稼動状態を示すデータ
採用している製品/サービス/技術「インテル・データセンター・マネージャー」「インテル・ノード・マネージャー」(インテル)、「SmartDASH」(NTTファシリティーズ)、「6sigmaDCX」(FutureFacilities)
稼働時期2017年10月25日~2018年3月下旬