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富士薬品、約2500台ある営業車の走行データから安全運転とルート最適化を図る

DIGITAL X 編集部
2017年11月30日

配置薬事業やドラッグストア事業を手掛ける富士薬品は、営業車両の走行状態を一括管理するシステムを2017年9月から利用している。データを基に、安全運転の励行や走行経路の最適化などを図る。データベース管理システムを提供したインターシステムズジャパンが2017年11月14日に発表した。

 配置薬は、薬などを家庭に常備してもらい、利用した分だけ課金・補充する販売方法である。いわゆる”置き薬”である。富士薬品は、置き薬事業を展開し、全国に350万軒の家庭を顧客に抱えている。そのために、約2500台の営業車を保有している。ただこれまでは、車両の運行状態を厳密に管理する手段がなく、安全運行を徹底させるための体制づくりが課題になっていた。

 そこで新たな車両管理システム「ACO(Analysis of Car Operation)」(ビズベース製)を導入した。車載端末から、3G通信によって、車両の現在位置や速度、燃費、急ブレーキや急加速の発生状況といったデータを収集し、全車両の運行状態を一括管理する。管理者は、全車両の走行状態や走行ルートなどを把握できる。運転が危険なドライバーに安全運転を指導して事故の発生を抑えたり、運行ルートを見直したりすることで、経費削減と業務効率の向上を図る。

 2017年5月から、300台の車両を対象にACOを検証し、9月から本格的な運用を始めた。ACOが収集した運行データは、Web APIを通して基幹システムに送り込めるため、日報作成などの業務の効率化・コスト削減にも貢献するという。

 ACOのデータベース管理システムには、オブジェクトデータベース「InterSystems Caché」(米InterSystems製)を採用した。大量データを扱え、刻々と届く車両運行データをリアルタイムに処理できることと、開発環境が充実している点を評価した。

 ビズベースとインターシステムズジャパンは、富士薬品が採用した仕組みを、レンタカー会社や物流事業者、建設機械のリース事業者などに提案したい考えである。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名富士薬品
業種医療・健康
地域埼玉県さいたま市
課題配置薬ビジネスに必要な、約2500台の業務用車両の走行状況を把握できず、安全運転やコスト削減の手段が打てなかった。
解決の仕組み業務用車両のすべてに走行ルートや急ブレーキなどを検知する端末を取り付け、3G回線経由でデータを収集・分析する
推進母体/体制富士薬品、ビズベース、インターシステムズジャパン
活用しているデータ業務用車両の運行データ
採用している製品/サービス/技術車両運行管理サービス「ACO」(ビズベース製)、「InterSystems Caché」(米InterSystem製)
稼働時期2017年9月から