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アズビル、設計業務のプロセスを全社統一し新設計基盤「ACES」をグローバルで活用

DIGITAL X 編集部
2017年12月15日

ビルオートメーションシステム大手のアズビルは、開発設計業務のプロセスを統一するためにPLM(Product Lifecycle Management)を導入した。開発設計に必要なデータを全社で共有し、業務効率の改善を図る。システムを構築した新日鉄住金ソリューションズが2017年12月1日に発表した。

 アズビルは、工場やプラント向けに、制御機器や計測機器を開発・提供している。ただ、これまでの製品開発体制は事業部ごとに分かれており、業務プロセスや設計開発で作成するデータ形式などはバラバラだった。

 今回、製品開発や設計に関わる業務プロセスを全社で統一し、設計開発業務で使用するデータを一元管理することを決めた。業務プロセスの全社統一が完了したことから、新しい設計開発基盤となる「ACES(Azbil Common Engineering System)」を2017年5月に稼働させた(図1)。2017年11月末時点では、海外の生産拠点を含め、およそ2000人が利用している。

図1:アズビルが運用を開始した「ACES(Azbil Common Engineering System)」

 ACESの稼働により、設計開発に必要なデータの共用が進み、製品の市場投入までの期間短縮と製品の品質向上が図れたという。業務プロセスの統一と共通データの活用によって、組織間や事業部門間の人材流動性が高まるという効果もあった。

 設計開発基盤には米PTCのPLM「Windchill」を選定した。3D CAD製品との連携や、全世界でサポートを受けられる点を評価した。開発パートナーには、Windchilのシステム構築実績が高い新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)を指名した。

 NSSOLは2016年1月から業務設計を開始し、同社のPLMシステム構築・導入サービス「NSBeats」を使って、Windchillの機能を可能な限り標準のまま使うことを提案した。結果として、標準機能の99%を使用しているとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名アズビル
業種製造
地域東京都千代田区
課題事業部単位で業務が分断しており、製品開発や設計に必要なデータもそれぞれ異なる形式で作成していた
解決の仕組み製品開発と設計の業務プロセスを統一し、3D設計データを一元管理。データの流用で業務効率向上
推進母体/体制アズビル、新日鉄住金ソリューションズ、米PTC
活用しているデータ工場・プラント向けの制御機器や計測機器などの設計データ
採用している製品/サービス/技術PLM(Product Lifecycle Management)パッケージ「Windchill」(米PTC製)
稼働時期2017年5月