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太平洋工業、製造機械が発する”音”と”振動”をAIで分析し故障時期を予測へ

DIGITAL X 編集部
2018年1月12日

自動車向けプレス製品を製造・販売する太平洋工業が、製造機械が発する”音”と”振動”から故障時期を予測する実験に取り組んでいる。分析にはAI(人工知能)を活用する。NTTコミュニケーションズと岐阜大学の協力を得、2017年12月18日に開始した。

 太平洋工業はこれまで、経験を積んだ従業員が製造機械の異変を察知し、故障の予兆を察知していた。ただ故障を完全に予測することはできず、突発的な故障は避けられなかった。今回の実験では、製造機械が発する”音”と”振動”をAI(人工知能)で分析し故障時期を予測することで、故障が発生する前に保守・点検し、機械の稼働停止によって発生する損失を減らすことを目指す(図1)。

図1:製造機械の動作音と振動をそれぞれ別に分析し、故障時期を予知する

 実験に協力するNTTコミュニケーションは”音”に、岐阜大学は”振動”にそれぞれ着目し、分析を担当する。まずNTTコミュニケーションズは、太平洋工業の工場内に集音マイクを設置し、製造機械の動作音データを収集し、クラウドに蓄積する。

 蓄積したデータは、NTT研究所が開発した「ノイズキャンセル技術」で分析に不要な音を排除した後、深層学習(Deep Learning)を基本とした「音の特徴解析技術」と「正常音とのずれを検知するモデル」を利用し、動作音が正常か異常かを判別するシステムを開発する。開発にはNTTグループのAI技術群「corevo」を活用する。

 一方の岐阜大学は、工場内に設置した無線通信機能付きの3軸加速度センサーから、製造機械が発する振動データを収集。それを岐阜大学が開発したAIを使った「振動解析技術」と「振動の変化を検知するモデル」で、振動が正常か異常かを判別するシステムを太平洋工業と共同開発する。

 なおNTTコミュニケーションズは、正常音と異常音の違いを検知する技術や、振動など様々なデータを組み合わせて解析する技術を活用し、製造業に向けたシステムとしての商用化を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名太平洋工業
業種製造
地域岐阜県大垣市
課題経験を積んだ従業員が製造機械故障の兆候察知に努めてきたが、完全な予知は不可能で、突発的な稼働停止による損失が発生していた
解決の仕組み製造機械が動作時に発する”音”と”振動”を深層学習で分析し、故障時期を予測する
推進母体/体制太平洋工業、NTTコミュニケーションズ、国立大学法人 岐阜大学
活用しているデータ製造機械が発する音と振動のデータ
採用している製品/サービス/技術「ノイズキャンセル技術」(NTT研究所製)、AI技術群「corevo」(NTTグループ製)など
稼働時期2017年12月18日