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京都大学大学院、医療現場でのAI活用推進を目指す研究講座を開設

DIGITAL X 編集部
2018年1月26日

京都大学大学院医学研究科は、医療現場でのAI(人工知能)活用の推進を目的に、医療AI研究講座を開設した。カルテ内の自然言語での記述など、AI解析に適さないデータを加工し、AIによる分析を推進する。講座を共同で開設する富士通と富士通研究所2018年1月24日に発表した。

 開設する講座は「医療情報AIシステム学講座」。京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野の奥野恭史教授が担当する。医療現場では、AI(人工知能)はMRIなどの医療画像の評価や解析では高い性能を発揮すると評価を受けている。しかし、より高度な判断ができるAIを作り上げるには、詳細な時系列の臨床情報を活用する必要があるという。

 ただ、そのような情報は医療関係者が自然言語で書き記したメモなどの非構造化データが多く、AIによる分析には適さないという問題がある。そこで、新講座では、富士通の自然言語処理技術を活用して非構造化データを分析に適した形に整形。整形したデータをAIで解析し、さまざまな疾患ごとに共通の特徴を抽出してモデル化する。この活動を通して、医療画像から病気の特性を判別するなどの診療支援や、新薬の発見などの貢献することを目指す。

 医療分野に特化したより高度なAIの研究にも取り組む。研究で発見した知識や知見、開発したAI技術は統一基盤に統合していき、医療分野で広く利用できる知識データベースに育て上げるという目標も掲げている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名京都大学大学院医学研究科
業種教育
地域京都市左京区
課題医療現場でAIを活用する声が高まっているが、分析に適さない非構造化データが大量に存在する
解決の仕組み医療現場でのAI活用推進を目的とした講座を開設し、自然言語処理技術を活用して非構造化データを分析に適した形に整形する
推進母体/体制京都大学大学院医学研究科、富士通
活用しているデータ京都大学医学部附属病院で管理している電子カルテや診療支援データベースのデータ、研究データ、診療ガイドラインや薬の添付文書などの文献データ
採用している製品/サービス/技術AI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」(富士通製)
稼働時期2018年1月から2019年3月