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自動車レースの米Team Penske、レース車両の改良にセンサーデータを活用へ

DIGITAL X 編集部
2018年3月13日

自動車レースの米Team Penskeは、レース車両の改良プロセスを高速化するために、各種のセンサーデータを活用する。テスト走行や実走行で得たデータに基づき、車両の改良について即座に議論できる環境を構築する。そのためのツールを提供する独Siemensの日本法人が2018年3月7日に発表した。

 米Team Penskeは、インディーカーレースやNASCARなどに参戦している自動車レースチーム。レースで勝ち抜くには、ドライバーの技術のほかに、レース車両の基本性能や、必要に応じて素早く改良する能力などが欠かせない。

 今回、車両の改良プロセスの高速化を図るために、センサーデータを使って実車の挙動を写し取る「デジタルツイン」を構築し、コンピューター上でシミュレーションする仕組みを導入する。データはPLM(Product Lifecycle Management)ツールで管理し、レース中に得たデータや車両の設計データなどに関係者がすぐにアクセスできる環境を作る。

 具体的には、テスト走行などで走行性能に関わるデータを取得し、PLMツールに記録する。データはデジタルツインに即座に反映させ、より実車に近い形でシミュレーションを実施する。これにより、レース本番までの限られた時間の中で、車両の改良について検討・議論できると期待する。Team Penskeはデジタルツインの活用で、レースでの成績向上を目指す。

 Team Penskeは、52年の歴史を持つチームで、これまでに「インディ500」で16回、「デイトナ500」で2回、「フォーミュラ1」で1回、それぞれ優勝しているほか、「デイトナ24時間レース」と「セブリング12時間レース」で複数回の総合優勝を果たしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名米Team Penske
業種製造
地域アメリカ・ノースカロライナ州ムーアズビル
課題レース本番で勝てるように、限られた時間内に車両を改良したい
解決の仕組みセンサーデータなどから実車の状況を反映した「デジタルツイン」を作成し、シミュレーションの結果を見ながら改良を加える
推進母体/体制米Team Penske、独Siemens
活用しているデータレース車両の設計データ、試験走行や実走行時に得られる走行性能を示すデータ
採用している製品/サービス/技術PLMツール、モデリングツール、シミュレーションツール(独Siemens製)
稼働時期不明