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損保ジャパン日本興亜、コールセンターでの回答候補をAIで選択

DIGITAL X 編集部
2018年3月27日

損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン日本興亜)は、コールセンターでの回答の候補をAI(人工知能)を使って担当者に提示するシステムを導入する。2018年3月19日に発表した。

 損保ジャパン日本興亜が導入するのは「アドバイザー自動知識支援システム」。顧客とコールセンターの担当者(損保ジャパンでは「アドバイザー」と呼ぶ)の通話をAI(人工知能)でテキスト化し分析することで、最適な回答の候補をアドバイザーのPC画面にリアルタイムに表示する。

 すでに2016年2月1日から、同システムを一部のコールセンターに導入し試験運用してきた。その間にAIの学習が進み、音声認識の精度が80%台から95%に、顧客の質問に対する回答候補の精度も80%超に、それぞれ向上した。ここまで精度が高まったことから全国のコールセンターへのシステム導入を決めた。

 さらなる高度化に向けた実験も始める。今回導入するシステムでは、顧客の発言のうち、どの発言に関連した回答候補を表示するかをアドバイザーが選ぶ必要がある。今後は、顧客とアドバイザーの通話をAIが分析し、顧客の用件を自動的に把握して、その用件に適した回答候補を表示できるようにする。

 そこでは、回答候補の正確さに加え、速さも検証する。また、通話中の要点をシステムが自動的に表示できれば、アドバイザーによる応対履歴の入力作業が容易になるため、その効果も測る。

 さらに、AIによる回答文の自動作成についても実験する。コールセンター業務を支援するAIは、事前に用意してあるQ&A形式のデータベースから適切な回答を探し出しており、データベースに存在しない質問への回答は難しい。そこで、パンフレットや契約のしおり、表にまとめたデータなどの関連文書をAIで自動認識し、そこから回答文を自動作成できるようにする(図1)。この精度が高まれば、Q&Aにない質問にも対応できるようになる。

図1:契約のしおりなどの参考文書の情報から、適切な回答文を自動的に作成する

 システムはNTTコミュニケーションズが構築する。両者は今後も研究と実験を繰り返し、顧客からの問い合わせにAIが自動的に回答するシステムの実現を目指す。簡単な問い合わせはAIが処理し、人間が応対したほうが良いと考えられる問い合わせをアドバイザーが担当する体制の実現を検討する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名損害保険ジャパン日本興亜
業種金融・保険
地域東京都新宿区
課題コールセンターへの問合せに対していち早く最適な回答を返したい
解決の仕組みAIで通話内容を分析し、担当者のパソコンに適切と考えられる回答の候補を表示する
推進母体/体制損害保険ジャパン日本興亜、NTTコミュニケーションズ
活用しているデータQ&Aのデータ、契約のしおりなど保険契約に関する文書
採用している製品/サービス/技術音声マイニングシステム「ForeSight Voice Mining」(NTTテクノクロス製)、AI技術「corevo」(NTTグループ製)
稼働時期2016年2月から一部で試験運用を開始。成果を見て2018年3月から全国で本格運用開始